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スイーツ・オブ・ザ・デッド4

 ヨーコが家に帰ると、リビングでママが泣いていた。


ヨーコ「どうしたの?」

レイカ「変態に噛まれたみたいなの」


 こんな薄汚いババアを噛みたがる変態が存在することにヨーコは戦慄した。

 アタシのような女子高生ならまだしもどんだけ熟女マニアだよって思った。


ヨーコ「ケーサツは?」

レイカ「呼んだよ。すぐ来るって」

ヨーコ「ママ、ちょっと見せみて」


 首筋のところにドス黒い歯型が残っていた。

まるで悪魔の歯型だ。人間のものとは思えない、何か暗く得体の知れないものを感じた。

 何故かここでさっきのホームレスの言葉がよみがえる。


 大した怪我じゃあないのでヨーコの母親は入院を免れたが、そのまま寝込んでしまった。

変質者に襲われたショックだろうか。

 警察はひとしきり犯人の人相を聞いたあと、付近のパトロールを強化することを約束して帰った。

 夕食の後にヨーコがテレビを見ていると、ニュースで例の変質者のことがやっている。


TV「連続噛み付き魔、各地に出没……警察の発表では複数犯……近隣住民は不安におびえ…」

ヨーコ「ふーん、最近流行ってんだ」


チャンネルを変えると同じようなニュースばかりやっていた。


TV「病院から末期患者が集団で脱走……死体を持ち出した形跡が……なおかじった痕跡も…」

ヨーコ「うっわ、死体までかじってんの? ゲロい」

レイカ「もうこの事件はいいよ、うたばん見ようよ」

ヨーコ「ん」


 チャンネルをもう一度変えると、そのことはすっかり頭の中から消えてしまった。



 翌朝。

 分厚い雲に包み込まれ、街は鬱蒼として静かだった。空気は冷たいが淀んでいる。

 ヨーコが目を覚まし時には家にはもう誰の気配もなかった。


ヨーコ(変だな。鍵が開いてる…)


 最近空き巣が流行ってるせいで両親は自分と妹にしつこいくらい施錠を命じていた。

それに家には誰もいない。

 ヨーコはかすかに鼻をつく腐臭に気付いた。

台所に行って臭気を嗅ぎつけようとくんくんやるが、ニオイの原因はここじゃない。

 冷蔵庫や戸棚を開いてみても特に腐ったものは見つからなかった。

再び首を傾げる。

何かがおかしい。


ヨーコ「…あっ、いけない、遅刻する! こんなことしてる場合じゃない!」


 携帯を取り出したもののすぐにそれが壊れていることを思い出す。

妹はもう学校へ行ったのだろうか。

父親はいつも自分たちが寝ているうちに出るからいいとして、じゃあ母親は?

病院でも行ったのだろうか。

 街は静かだった。静か過ぎるくらいだ。

電車に乗って駅で降りた時、いよいよ疑惑は確信に変わりつつあった。

 一つずつ頭の中で疑問を整理してゆく。


ヨーコ「今日は火曜日…日曜日じゃない。じゃあ何故アタシ以外の生徒がいないの?」

ヨーコ「何で? 何でこんなに静かなの?」


 駅を出る。

車の姿はなかった。人もいない。

街は墓場のように静まり返っていた。

校門の入り口へ向かうが、門は閉まったままだ。


続く……

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