スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

o川*゚ー゚)oヒート・オブ・ザ・ソウルのようです 最終話

全五話にてこれで終わり。
どうでもいいけどパイプ爆弾をバイブ爆弾って自分で読み間違えて大笑いしてた。どうでもいいね。

1.
 自分の視界に覆い被さっているものがドクオの顔だと気付くまでに、相当の時間がかかった。


( ・∀・)「う……」

(U'A`)「気分は?」

( ・∀・)「最高だよ。ペプシ持ってないか?」


 たっぷり食べ、ぐっすり眠った後のように爽快な気分だった。

立ち上がり、自分の体を見下ろす。

服はぼろ切れになっていたが、肉体は生まれ立てのようにまっさらだった。


(U'A`)「お前、さっきまで車に踏まれたカエルみたいになってたんだぞ」

(;・∀・)「イヤなこと言うなよ……」



o川*゚ー゚)oヒート・オブ・ザ・ソウルのようです

最終話 魂の熱量

2.
 剣は少し離れた場所に落ちていた。

こちらも無傷だったが、ガンベルトの銃はすべて駄目になっていた。

ストックが砕け、弾丸は分解している。

無事なのはパイプ爆弾だけだった。


( ・∀・)「あの高さから落ちたからなあ……クーに怒られるな」


 ともかくベルトを拾い上げ、急いで階段を駆け上がる。


( ・∀・)「僕、どのくらいくたばってた?」

(U'A`)「一昼夜くらいか。さすがに時間がかかったな」

(;・∀・)「くそっ、あの野郎! クー、大丈夫かな……」


 ブージャム・ドールの残党を薙ぎ払い、何時間もかけて丸盆にまで戻った。

黒い血の跡が通路のひとつへと続いている。


3.
( ・∀・)「あっちか。クーもいるといいんだけど」


 渡り廊下を越え、通路に入った。

しばらく進んだあと、奇妙な施設に入った。


( ・∀・)「……!?」


電球のような瓶が天上から大量にロープでぶら下がっている。その中に真っ黒な液体が満ちていた。

瓶のひとつが割れている。

その下で黒い液体にまみれたブージャム・ドールがびくびくと身を痙攣させている。


( <●><●>)ゴボッ、ゴボッ


剣でつつくと、脱皮後の昆虫のように柔らかい。


( ・∀・)「これは……!?」
 

4.
モララーは改めて瓶を見回した。

透明な液体のものから灰色、黒とある。

どうやら時間の経過とともに少しずつ黒くなっていくらしい。

 そして透明な液体の瓶の中で身を丸めて眠っているのは、普通の人間だった。


(;・∀・)「人間からブージャム・ドールを作ってやがったのか?!

     箱に願えばいくらでも作れるのに、何で……」

(U'A`)「王の趣味さ」

( ・∀・)「趣味?」

(U'A`)「人間誰しもそうだろ? 買ってきた方が早いのに、わざわざ自分で作りたがる。料理とか家具とかな。

   王にとっちゃ、こうして人間をわざわざ苦しませるのが暇つぶしの趣味だったんだよ」


 モララーは怒りのあまり噛みしめた歯を鳴らした。


(#・∀・)「何て野郎だ……じゃ、クーもここに?」

5.
(U'A`)「かもな」


 比較的透明な瓶を見て回るとやや灰色がかった瓶のひとつに彼女がいた。

全裸で膝を抱き、目を閉じている。


川  - )

( ・∀・)「クー!! くそっ、今出してやるからな」


 剣で瓶を叩き割ろうとした時、そのガラスにふっと影がよぎった。

振り返った瞬間、両側から挟み込むようにして四本の剣が振り下ろされた。

とっさにかわし、床を転がる。


( <●><●>( <●><●>) ゼエー、ゼエー

( ・∀・)「野郎!」


 腕が四本に再生し、頭もふたつに戻っている。

6.
(;・∀・)「クソッ、治ってやがる! この工場で自分を修理してたのか」


 斬撃を受けた瓶にビビが走って砕け、クーが液体とともに流れ出た。

小さくうなり声を上げ、まぶたを痙攣させる。


川 ' -`)「う……」

( ・∀・)「クー!」


 彼女はうつろに目を開いた。


川 ゚ -゚)「モララー……?」

(U'A`)「大した女だ。こんな世の中でここまで強く希望を持っていられるとは」

( ・∀・)「良かった、無事だった」


 心からほっとし、荷物を捨てて身軽になってから、ジグザグに向き直る。


(#・∀・)「てめえだけはぶっ殺す!」
7.
( <●><●>( <●><●>)


どれほどの決意を固めようとも、ジグザグが強敵であることは変わりない。

一撃一撃は鋭く、炎のような攻勢で追い詰めて来る。


(;・∀・)「ううくそ、くそっ……」

( <●><●>( <●><●>)ゼエー、ゼエー……ゴボッ


 相手は笑うようにして口から黒い血を吐き出した。

瓶の林の中を逃げ回っていたが、やがて壁際にまで追い詰められた。


( ・∀・)「くっ……」


 荷物まで這っていったクーは、ガンベルトからパイプ爆弾とジッポライターを抜き取った。

それを彼に向かって床を滑らせる。


川 ゚ -゚)「モララー!!」
8.
( ・∀・)「!」


 モララーは受け取りはしたが、そちらに気を取られた瞬間、剣が相手に弾き飛ばされた。。

がら空きになった胴体を二本の剣が同時に串刺しにする。


川;゚ -゚)「モララ―――!!」

(;・∀・)「ぐあ……」

( <●><●>( <●><●>)


 相手が噛みつこうと口を大きく広げた時、モララーは逆に相手の頭を抱き寄せた。

火をつけたパイプ爆弾を、さっき吹っ飛ばしたのと同じ右側の頭の口に突っ込む。


( ・∀・)「計画通り、ってか? 普通に投げたって避けられちゃうもんな」

( <●><●>( <●><●>)「!!」


 爆弾が炸裂した。

9.
散弾と化した釘はモララーとジグザグの双方を吹き飛ばす。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 クーは倒れたモララーの方へ張っていった。

爆弾を握っていた右腕は根本からなくなっている。


川 ; -;)「モララー、モララー……ぐ、ゲホッ、ゲホッ……!!」


 せき込む彼女の唾液は黒みを帯びていた。

だが構うことなくモララーの元へ向かう。


川 ; -;)「モララー……」

( ・∀・)「ぐ……」

川 ゚ -゚)「! モララー!」

(U'A`)「大丈夫だ、死にはしない。お前には言ってなかったが、そういう奴なんだ」

10.
 クーの見ている前でたちまち傷口が塞がり、わずかずつではあるが肉が盛り上がってゆく。


川 ゚ -゚)「これは……?」

( ・∀・)「僕もよくわからないんだ。まあ、便利だけどさ」


 朦朧としたままモララーは言った。


( ・∀・)「それより君の方は?」

川 ゚ -゚)「だいじょう……ぶ……」


 そこで彼女は再び激しくせき込んだ。

喉を押さえて苦しげに喘ぎ、大量の黒い血を吐き出した。


川  - )「オエッ、ゲエ……!!」

(;・∀・)「クー!」


 重い体を地面から引き剥がすようにして起き上がり、クーの背をさすった。
11.
( ・∀・)「どうすればいい?」

(U'A`)「どうしようもない。その量じゃ助からん。

    ま、瓶の外ではブージャム・ドールにはならんだろうが、ヴォイドにはなるだろうな」

(#・∀・)「冷静に言ってんじゃねーよ! どうすればいいんだ……」

川  - )「弟……モララー、わたしの弟は……?」

( ・∀・)「そうだ、弟だ! きっと君の弟もこのへんにいるよ!」


 モララーは彼女の肩に上着をかけてやり、抱き起こした。


( ・∀・)「希望を捨てちゃダメだ! 彼はきっと無事だよ、君だって無事だったんだから、だから……」


 その時、クーは弾かれたようにジグザグの破片の方を見た。

モララーを突き放し、ふらふらとそちらに歩いてゆく。


( ・∀・)「クー?」

川 ゚ -゚)
12.
 彼女はしゃがみ込み、震える手でばらばらになった頭部に触れた。

モララーが吹っ飛ばした頭の片方で、半分ほどなくなっている。

砕け散った陶器のような表層の下に、血の気の失せた人間の顔があった。

 彼女はゆで卵の殻を剥くようにして、顔面の表層を一枚ずつ剥いでいった。


(´ ω `)

川 ゚ -゚)「ショボン……」


 モララーはありとあらゆる慰めの言葉をかき集めた。

だが全部胸につかえてしまい、ひとつも口から出て来なかった。

 クーは大きく息を吸い込むと、これまで以上に多くの黒い血を吐き、そして倒れた。


川  - )「ゴボッ……」

( ・∀・)「望みを捨てるな! そうだ、箱があればきっとみんな元に戻せるよ、だから……だから……」


 抱き起こされたクーは、泣いているような笑っているような声で囁いた。
13.
川  - )「希望なんか持つんじゃなかった。そうすれば、こんなに苦しむこと……なかったのに……」

( ・∀・)「……!」

川 ; -;)「ショボン……」


 モララーの腕の中で、クーの魂の熱量は急速に失われてゆく。

吐息からは温もりは失われ、変わってひたすら黒い液体を吐き出しながら激しくえづく。


川  - ) ガハッ……ゲホ、ゲボォッ

(  ∀ )


 激しく痙攣する彼女をきつく抱いたまま、モララーは凍り付いたように動かなかった。

絶望が流れ込んでくる。


( ・∀・)「ああ、……ああ」


 腕の中からクーが滑り落ちた。

14.
頭を抱え、モララーはふらふらと立ち上がり、壁の前でひざまずいた。

そこに手を当て、額を思い切りぶつける。


( ;∀;)「ああああ―――――――――!! ちっくしょおおおおお!!!」


 胸につかえていたすべてが悲鳴になってあふれ出す。


( ;∀;)「みんな僕のせいだ、みんな……僕の……」

(U'A`)「頭を切り落としておけ」

( ・∀・)「何てこと言うんだ……!」

(U'A`)「いずれヴォイドとなってよみがえるぞ。そっちのほうがかわいそうだろ」

( ;∀;)


 涙を拭い、床に彼女を寝かせた。


( ;∀;)「許してくれ。みんな僕のせいだ……」

15.
(U'A`)「その通りだ。みんなお前のせいだ」


躊躇や迷いが体を凍りつかせてしまう前に、モララーはクーの首を跳ねた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 再び階段を見つけ、モララーはひたすら頂上目指して上がり続けた。

ひどく体が重い。

ちぎれた右腕は再生を止め、傷口からしたたる血は黒みを帯びていた。


( ・∀・)「何で腕が戻らないんだ……?」

(U'A`)「ジグザグに噛まれたときに入った黒い血のせいだ。

   量はわずかだったが、お前の絶望が排出を妨げてるんだ」

( ・∀・)「……」

(U'A`)「今にお前もヴォイドになる」


16.
 言い返す気力もない。

たったひとつの希望だけが、モララーを動かしてた。


(;・∀・)(まだだ! 箱があれば……ひとつだけ願いが叶うんだ……!!

     クーを生き返らせることだって……)


 そんなモララーの後をドクオはのんびりついてきた。


(U'A`)「ついでだから少し王のことを話してやろうか。

   そいつはこの町で生まれ、高校に通う少年だった。

   性格は暗くて後ろ向き、顔は醜く、家族にも学友にも教師にも嫌われ、見放されていた」

( ・∀・)「僕には関係ない話だろ……」

(U'A`)「そいつはある日、学校の裏手のゴミ箱で箱、つまり願望機を偶然拾った。

    最初はまあちょっとしたことだった。金とか、ゲーム機とかな。

    後に自分の顔や姿かたちを変えることに躍起になり始めた」

17.
(U'A`)「そいつは自分の姿形をひどく憎んでいたからな」

( ・∀・)

(U'A`)「そして自分の都合のいいように周囲をコントロールし始めた。

   誰にでも好かれる、快活で明るく、スポーツ万能、喧嘩に強くて優しい自分、というような虚像を作り出してな。

   まあ、このころはまだマシだった。そこまで他人に迷惑をかけてはいなかった。

   だが自分をイジメていた奴らへの報復に執心し始めてからは、どんどんおかしくなっていった」


 モララーはうつろな意識のままそれを聞いていた。

ただひたすら、機械のように足を動かして体を上へ上へと進めながら。


( ・∀・)「ペプシが飲みたい……ペプシがありゃあな……」

(U'A`)「思いつく限りのことをした。串刺し、火責め、水責め。

   お互いを殺しあわせ、生きたまま脳をえぐり出して残らず食えば許すと命じたりした。

   ま、実際にやっても許しはしなかったが。

   一万回苦しませて殺し、一万回生き返らせては同じことをした」
18.
( ・∀・)「ペプシが……飲みたい……」


 もうどのくらい登っているだろう。

時々気を失い、目が覚めるたびにドクオは同じ話をえんえん繰り返した。


(U'A`)「王は箱を手に入れる前、とある女の子に恋をした。

   イジメられてボコボコにされたところで、ハンカチを貸してくれたそうだ。

   汚物扱いされ、誰も触れようとしなかったあばた面の彼に、文字通り手をさしのべたただ一人の存在だった」

( ・∀・)

(U'A`)「王は彼女の心を動かすために何でもした。

    ありとあらゆる贈り物をし、王侯貴族のような暮らしをさせてやるとまで言った。

    だが彼女が聞き入れないとなると、彼女の両親や友人を拷問にかけ、戦争で無関係な人々を皆殺しにしたりした」


 再び丸盆に出た。

これでいくつめだろう?

19.
だが上に行く階段はもうなく、城はここで尽きていた。


( ・∀・)「屋上……」


 雲の上から突き出した玉座の間には、背もたれの長い豪華な椅子があった。

その後ろには大きな氷柱がそびえている。


(U'A`)「ありとあらゆる残虐な行為を見せつけて、少女はやっと王に屈服した。

   だが王は満たされることはなく、その憂さを晴らすように凶行に走り続けた。

   世界中にブージャム・ドールを率いて攻め込み、十年かけてすっかり文明を廃墟に変えてしまった。

   何もかも願いを叶え尽くしたあと、いかなる希望も失った王は箱を叩き壊し、自らをその剣で刺した。

   だが不老不死の願いを叶えていたから死ぬことすら出来なかった。

   ヴォイドすら王を相手にしなかった。ふらふらと城を出ていって、それっきりだ」


 モララーは服をまくり、自分の胸元を呆然とさすった。

そこに痣が……剣で貫かれた跡のような痣があった。
20.
真っ青な空に太陽が浮かんでいる。


( ・∀・)「ああ……」


 モララーはふらふらと玉座の前まで行き、そこでひざまずいた。

叩き壊された小さな宝石箱の残骸があり、背後の氷柱の中にはひとりの少女が氷漬けになっていた。


o川*  )o


〝(:::::::::::)「わたしを愛していると言えばいいのだ!」〟

〝o川*  )o「愛しています、王様」〟

〝(:::::::::::)「心からだ! 貴様の言葉はうわべに過ぎない」〟

〝o川*  )o「わたくしはあなただけを愛しています、王様……わたくしは、あなただけを……」〟

〝(:::::::::::)「……!」〟


( ・∀・)「〝箱よ、この女を氷漬けにしてしまえ〟」

21.
 呆然とつぶやきながら、モララーは頭を抱えた。

こぼした涙は真っ黒だった。


( ;∀;)「それが最後に叶えた望みだ。大バカだな、そいつは」

(U'A`)「同感だ。良くわかってるじゃないか」


 両親や、友人や、部活、家族、学校のことがろくに思い出せないのも当然だ。

あれはみんな後付の虚構だったのだ。

ただ、キュートだけが―――あの娘の存在だけが現実だった。だから、記憶に残っていたのだ。


( ・∀・)「そうか。何となく、そうじゃないかとは思ってたけど。やっぱり、僕が王なのか……」

(U'A`)「スッキリしただろ?」

( ;∀;)「ああ……ああ、ちきしょう……」


 頭をかきむしり、髪を引きちぎる。


22.
( ;∀;)「クーが死んだのも、世界が滅びたのも、キュートがこんなことになったのも、みんな僕のせいなんだ」

(U'A`)「そうだな」

( ;∀;)「お前、ここまで来たらどうにかなるって言ったよな? 僕はどうすればいいんだ?」


 ドクオはのんびりその場に伏せた。


(U'A`)「俺は箱が作られた時に同時に創造された、箱の安全装置だ。

   もし箱の持ち主が望むのならば、最後にひとつだけ願いを叶えてやれる。

   ただしそれは〝過去にさかのぼってすべての願いを帳消しにする〟という願いだけだ」

( ・∀・)「すべてを……?!」


 一瞬モララーの表情に希望が差したが、すぐにまた視線を伏せた。


( ・∀・)「元の自分に戻るってことか?」

(U'A`)「そうだ。箱を拾った瞬間にまで時間がさかのぼる」


23.
 昔の自分に……?

あの何にも出来ない、世界のすべてと自分自身の両方を狂おしいほど憎んだ無力な自分に戻るというのか?


(;・∀・)「出来るもんか、そんなこと!! できるもんか」

(U'A`)「じゃあここでくたばって、お前もヴォイドになれ」

( ;∀;)「出来ない!! 出来ないよ! 昔の自分に戻ることだけは出来ない!

     あんな自分に戻るくらいならここでくたばったほうがマシだ!」


 泣きじゃくりながらモララーは激しく首を振った。


( ;∀;)「こんな世界クソ食らえだ! 親も教師も、他のバカどもも苦しんでくたばって当然だ!

     僕は箱を手にしたんだぞ、王になる権利がある! あんな奴らは復讐されるべきなんだ!」

(U'A`)「ああ、そうだろうよ」

( ;∀;)「……なぜだ? なぜ僕をこんなに苦しめる?!」


 ドクオは呆れたような笑みを浮かべた。
24.
(U'A`)「この後に及んでまだ被害者のつもりでいるとは恐れいったよ。

   本当なら俺の裁量でお前を見捨てても良かったんだぞ」

( ・∀・)「じゃあ何でここまで導いた?」

(U'A`)「お前はバカだ。卑屈で、クズで、横暴で、本当に惨めな奴だ。しかも残忍と来てる。

   だが……こちらからひとつ聞くが、なぜ箱にこう願わなかった?

   〝キュートの心が欲しい〟と。

   なぜあんな遠回しな手を使ったんだ?」

( ;∀;)「それは……」


 再び視線を伏せた彼を、ドクオは真っ直ぐに見ながら言った。


(U'A`)「お前、本当はわかってたんだろ?

   それをやってしまったら、自分の本当の望みは叶わなくなってしまうって」

( ;∀;)「……」


25.
(U'A`)「先にも言ったがお前はどうしようもないほどのクソッタレだ。

   だが本当に何にもわかってないわけでもなかった……だから一度だけ、チャンスをやった。

   それだけだ」

( ・∀・)


 モララーは手でそっと箱の残骸に触れた。


( ・∀・)(どうすればいい……?)


 キュートのことも考えた。それにクーは?

どれほど世界が憎くとも、あのふたりだけはこんな目に遭わなければならなかった謂れはない。

 果てしない時間だけが過ぎ、モララーが吐く黒い血の量は徐々に増えていく。


( ・∀・)「ゴホッ、ゲエッ……!」


あるとき、モララーは顔を上げて言った。

26.
( ・∀・)「ドクオ……ゴホッ」

(U'A`)「どうすればいい、何てもう聞くなよ」

( ・∀・)「いや」


 強く目を閉じ、意を決した。

顔を上げ、彼を見る。


( ・∀・)「もし……その最後の願いを叶えたら、クーは……キュートは、僕を許してくれるかな」

(U'A`)「贖罪とは善行で罪を帳消しにすることじゃあないんだと。同じ過ちを繰り返さないことだそうだ」

( ・∀・)「わかった」


 モララーはうなずいた。


( ・∀・)「最後の願いを叶えてくれ」


 ドクオは目を細めて笑い、立ち上がった。

27.
(U'A`)「やっと正しい願いを叶えてくれたな、友よ」


 ドクオは背を大きく仰け反らせた。

深呼吸を一度し、大地を揺るがすようなすさまじい遠吠えを上げる。

彼から放たれた、白い波のような衝撃波が世界を覆ってゆく。

 宙を漂っていたモララーは、逆再生のように、何もかもが元通りになってゆくのが見えた。

焼き尽くされた建物は元通りに、ヴォイドたちは元の人々に、そしてモララーは……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


( ・∀・)「ハッ!」


 モララーはその場に突っ立っている自分に気付いた。

校舎の裏側で、ふだん人が来ることはない場所だ。

イジメっ子から隠れるようにして、放課後はよくここでひとりで時間を潰していた。


28.
( ・∀・)「……」


 自分の手の中を見下ろす。

凝った彫刻が施され、留め金の部分に緑色の宝石が付いている宝石箱を手にしていた。

確かこの日、拾ったばかりのこの奇妙な箱を眺めて考えを巡らせていたはずだ。


( ・∀・)「戻ってきたのか」


 自分の顔に触れる。

ひどいにきび面で、首周りはやや肉が余りがちだった。

思わず笑う。元の自分の顔だった。


( ・∀・)「……うん」


 箱を手に校舎裏を出た。

部活の生徒たちで賑わう校庭を途中、体操服姿の女の子とすれ違った。

29.
先日ハンカチ貸してくれた子だ。


o川*゚ー゚)o


 こちらには気付かず、行ってしまった。

 最初の願いは、彼女に「振り返れ」と命じることだった。

まだ箱の正体は知らず、ほんの無意識のうちに願ったことが現実となったのだ。


( ・∀・)

o川*゚ー゚)o


 彼女は立ち止まることも、振り返ることもなかった。

モララーは涙を拭った。


( ;∀;)(いいんだ。これでいいんだ……)


反対の校舎にまで来ると、ゴミ捨て場の焼却炉の前に立つ。
30.
箱を手に躊躇していると、いきなり後ろから背中を誰かに蹴られた。


( ・∀・)「うわっ?!」


 男子生徒がふたり、にやにや笑ってこっちを見ていた。

クラスの不良たちだ。


( ^Д^)「おら、何やってんだブタ!」

<ヽ`∀´>「ホルホル! そん中に入って焼きブタになるつもりだったニカ?」

( ^Д^)「おら、何とか言えや」

( ・∀・)


 モララーは手の中の箱を強く意識した。

今、〝跡形もなく消えろ〟と願うことだって出来る。

〝贖罪とは、過ちを繰り返さないこと……〟


31.
(;・∀・)「う……うるさい、お前らに関係ないだろ」

( ^Д^)「プギャー! 生意気に口答えですか? ん?」

<ヽ`∀´>「やっちまうニダ、こん中に放り込むニダ」

( ;∀;)「離せええええ!!」


 もみ合っていると、いきなりどこからかロケット花火が大量に飛んできた。

三人に降り注ぎ、パンパンと激しく弾ける。


(;^Д^)「プギャー?!」

<;`∀´>「ドクトォォオ?!」

(;・∀・)「?!」


 煙が上がり、火薬の臭いがしている。

振り返ると、制服姿の女の子があわてて走ってくるところだった。


川;゚ -゚)「ごめんごめーん、当たっちゃった?!」
32.
( ^Д^)「何してくれてんだ、てめー」

川 ゚ -゚)「いやー、ごめんね。ちょっとこの連射砲の試作品をだね……」

(;^Д^)「こ、こっちに向けんな!」

川 ゚ -゚)「ん? あ、ごめん」


 バカバカしくなったらしく、不良たちは捨て台詞を吐いて去っていった。


( ^Д^)「ふん、行こうぜ」

<ヽ`∀´>「ニダニダ」

( ・∀・)「あ……」

川 ゚ -゚)「ん?」


 モララーと女の子は顔をあわせ、お互いをまじまじと見詰め合った。


川 ゚ -゚)「どこかで……?」

( ・∀・)「いや、ううん」
33.
川 ゚ -゚)「あーあ、ちょっと火薬の破片かかっちゃったね」


 彼女はモララーの肩を手で払った。

火傷や細かい傷が多く、バンドエイドをいっぱいに貼っている。

それにモララーが気付くと彼女は顔を赤らめ、照れ笑いして手を引っ込めた。


川*゚ -゚)「あっ……汚い手だから恥ずかしいな」


 片腕におかしな武器だか何だかを両腕で抱えている。

ガトリングのような筒を束ねた物体で、そこからさっきロケット花火を連射出来る仕組みになっているらしい。


( ・∀・)「それは?」

川*゚ー゚)「あ、うん。わたし科学部なんだけど、これ、今作ってるの。試射してたとこ」

( ・∀・)「へええ、カッコイイな」

川 ゚ -゚)「とにかく、ごめんね」


34.
 身を翻して来た道を戻ろうとする彼女の背に、モララーは胃を決して話しかけた。


( ・∀・)「あ、あのさ、もし良かったら……」

川 ゚ -゚)「ん?」

( ・∀・)「他にもそういうのあったら、見せてくれない?」

川*゚ -゚)「おっ、理解を示してくれる人は珍しいな。

    うちの弟なんか〝そんなんだから彼氏できないんだ〟ってうるさいんだけどさー」

( ・∀・)「弟……そっか」

川 ゚ -゚)「部室に色々あるよ」

( ・∀・)「楽しみだな……あ、その前に」


 モララーはため息をひとつつき、それから箱を焼却炉に放り込んだ。


川 ゚ -゚)「ゴミ?」

( ・∀・)「うん。僕にはもう、必要のないもの」

35.
川 ゚ -゚)「……うわっ、野良犬」


 言われて振り返ると、フェンスの向こうの道路に黒い犬がいた。


(U'A`)

( ・∀・)

川 ゚ -゚)「どうかした?」

( ・∀・)「……ううん」


 モララーはそっと犬に囁きかけた。


( ・∀・)「お前が引き合わせてくれたのか?」

(U'∀`)


 犬はまるで笑っているように眼を細めた。

モララーには彼がいつもの調子で〝かもな〟と言ったように聞こえた。

36.
犬はのんびりと歩み去り、姿を消した。


川 ゚ -゚)「どうかした?」

( ・∀・)「何でもないんだ」


 小走りにクーの後を追う。

モララーは今、胸に新たな望みが湧き出すのを感じていた。










―――あの時伝えられなかった言葉を、今度こそ伝えなきゃ。

僕は君の手が好きだって。


おしまい
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

(゚q 。川カンザイ

Author:(゚q 。川カンザイ
完全犯罪(カンザイ)
プラネットライカは隠れた名作

最近のコメント
最近の記事
月別アーカイブ
FC2カウンター
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。