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( ( )ヒート・オブ・ザ・ソウルのようです 第四話

特にコメントもなし。

1.
 モララーが団地で目覚めてどのくらいの時間が過ぎただろう。

乾いた川にかかる橋を渡るとき、ふたりはとうとう間近にまで迫った王の城を見上げた。


( ・∀・)「すげえなあ」

川 ゚ -゚)「こんな近くで見るのは初めてだな」


 天を突くその建造物は、城と言うより塔と呼ぶほうがしっくり来る。











( <●><●>( <●><●>)ヒート・オブ・ザ・ソウルのようです

第四話 狂信者の町


2.
 橋を過ぎ、町に入った。

元はオフィス街で、城の周囲にはビルが寄り添うにように林立している。

いずれも高層なものばかりだが、それですら城の足下にも及ばない。

 ビルの峡谷に入ると、壁や地面の落書きが目に付き始めた。


( ・∀・)「何だろう、これ」


 以前見た王の物語もあったが、大半は意味のわからない文字に絵を組み合わせたものだった。

いずれも曲がりくねり、象形文字じみていて、もはやモララーたちの知る言語ではなくなっている。

 ねじくれた絵はブージャム・ドールを描いたものらしい。


川 ゚ -゚)「!」


 それを見ていたクーが、ふと立ち止まった。

頭がふたつある人形の絵が壁に書かれている。

腕が四本あり、両足はヤギに似た蹄になっていた。
3.
( ・∀・)「これが君の言ってた……?」

川 ゚ -゚)「こいつだ」


 ドクオがそちらを一瞥した。


(U'A`)「そいつは〝ジグザグ〟と呼ばれていたやつだ。

   王が作り出した最強のブージャム・ドールで、人々にもっとも恐れられていた」

( ・∀・)「何のために人間をさらっていくんだ?」


 ドクオはその質問には答えなかった。


( ・∀・)「大丈夫。きっと君の弟は生きてるよ」

川 ゚ -゚)「うん。そうだね、きっと……」


 モララーが肩に手を置いて笑いかけると、クーは不安げに微笑み返した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4.
 倒壊したビルを迂回し、城に向かう。

ヴォイドは姿を見せなかったが、代わりに奇妙なオブジェが目に付きはじめた。


( ・∀・)「うわっ……!」


 切り落としたヴォイドの頭部が、葉の落ちた街路樹の枝にいくつも突き刺してあった。

悪趣味なクリスマスツリーのようになっている。


( ・∀・)「何だこれ? ヴォイドがやったのかな」

川 ゚ -゚)「狂信者たちだ」

( ・∀・)「え?」

川 ゚ -゚)「父さんに聞いたことある。頭のおかしくなった奴らが徒党を組んでるって」

( ・∀・)「ゾンビもののお約束か」

川 ゚ -゚)「どういう意味?」


 担いでいた剣に巻いておいた布を取り払い、刃を親指で撫でながらモララーはつぶやいた。
5.
( ・∀・)「結局、人間の敵は人間ってこと」


 再び歩き出す。


( ・∀・)「クーは弟を助けた後はどうする?」

川 ゚ -゚)「元いたアジトに帰るよ。そこで畑を作るんだ。ジャガイモとかソバとかさ」

( ・∀・)「ソバ? 好きなの?」

川 ゚ -゚)「収穫が早いし、痩せた土地や日当たりが悪いところでも育つんだって。救荒食って言ってね。

    モララーはどうするの?」

( ・∀・)「どうしようかな……箱に頼んで、何か願いを……」

(U'A`)「あー、言ってなかったんだが」


 ドクオが口を挟んだ。


(U'A`)「叶えられる願いはひとつだけだ」


6.
 モララーは思わず立ち止まった。


( ・∀・)「何で? だってどんな願いでも、いくらでも叶うって……」

(U'A`)「詳しい説明は省くが、とにかくひとつしか出来ない。実際に見ればわかるが」

(;・∀・)「何でそんな大事なこと黙ってたんだよ!?」

(U'A`)「言い忘れてた。何とかなるって、心配するな」

(;・∀・)「バカ言うなよ! 根拠は何だよそれ!」


 ドクオは真っ直ぐにモララーを見た。


(U'A`)「ここに俺がお前を選んだ理由があるんだ。

   玉座の間にまでたどり着いた時、お前はすべてを知ることになるだろう。

   たどり着ければだが」

(#・∀・)「まったく、大事なことは何にも教えてくれないんだからな。

     うーん、ひとつだけ……ひとつだけかあ……」

7.
川 ゚ -゚)「何を叶えるの?」

( ・∀・)「わかんない。どうしよう」


 モララーが首をひねっていると、クーがおずおずと口にした。


川 ゚ -゚)「ねえ、良かったらさ……その願いを叶えたあとにさ……」


 ここで一息入れる。


川*゚ -゚)「わ……わたしと一緒に、アジトに来ない? 畑を作るのに男手がいるし」

( ・∀・)「えっ?」


 顔を赤らめているクーを見ていると、モララーも急に気恥ずかしくなってきた。


(*・∀・)「あ……う、うん。もちろん。いいよ!」

(U'A`)「今度は堂々と下着が拝めるな。下着の中身もか」

(#・∀・)「鍋にして食っちまうぞてめー!!」
8.
 そのとき、わずかに空気が震える音がした。

その瞬間、モララーは振り返りざまに剣を振るい、飛来した矢を切り落とした。

ギィン!!


川 ゚ -゚)「!」

( ・∀・)「誰だ!」


 ビルの上のほうの階に複数の人影が見えた。

弓を構えていて、新たな矢をつがえるところだった。


( ・∀・)「くそっ」


 降り注ぐ矢をかわし、ふたりと一匹はビルに向かって走り出した。

角を曲がって物陰に飛び込もうとした時、みっつの人影が雄叫びをあげて飛びかかってきた。


( ∵) ギィィエエァァア―――!!!

9.
モララーがふたりを切り伏せ、クーのショットガンが残りのひとりを吹っ飛ばす。


( ・∀・)「狂信者って奴らか」


 ぼろ布も同然の服を身にまとい、CDや金属部品などを紐に連ねて腰から垂らしている。

複雑な幾何学模様のペイントを顔に塗っていた。


川 ゚ -゚)「モララー、あっちからも!」


 手作りの槍や斧を持った男たちがこちらに駆けつけて来た。

口々に獣じみた絶叫をあげている。


( ∵)キェェァァア!!

( ∵)ウギイイイイ!!

(;・∀・)「獣に退化してやがる」


 ぶら下げた飾りがじゃらじゃらと不気味な音を上げている。
10.
クーが時々振り返って散弾を浴びせたが、彼らはものともしなかった。

仲間の屍を踏み越え、死に物狂いで追ってくる。


川 ゚ -゚)「弾が……!」

( ・∀・)「僕に任せろ」


 彼女の銃は装填の際、キャップを開いて弾丸を詰め直し、撃針を交換するという手順を踏むため、時間がかかる。

彼女がガンベルトに常に六丁も差しているのはそのためだ。

モララーたちは路地を抜けて大通りの交差点に出た。


( ・∀・)「あっ」

川 ゚ -゚)「!!」


 ふたりは追い込まれたことに気付いた。

奥と左右の通路は車やバスで塞がれ、更に槍襖が築かれている。


11.
( ∵)( ∵)( ∵)


 狂信者たちは来た道を埋め尽くし、周囲のビルでは射手が鏃をこちらに向けて構えている。

口々にわめき声を上げているが、それ以上は近づいて来ようとしなかった。


( ・∀・)「襲って来ない……?」


 その時初めて、モララーはこの広場の異質さに築いた。

地面にタールで何やら文様が書かれ、ところどころに血の跡がある。


川 ゚ -゚)「祭壇……?」


 その時、あのぜぇー、ぜぇーという苦しげな息づかいが聞こえた。

かちかちという金属がアスファルトを踏む足音がし、だんだんこっちに近づいて来る。


( ・∀・)「!」

( <●><●>( <●><●>)
12.
 そのブージャム・ドールが姿を現したとき、狂信者たちは地面にひざまずいた。

祈るようなうめき声を上げ、顔を伏せる。


( ∵) オオー、オオー……!!

川 ゚ -゚)「あいつ……!」


 頭がふたつ、腕が四本あり、足が蹄になっている。

他と比べるとやや小柄で、背の高さはモララーより少し高いくらいしかない。

 ジグザグは立っていたバスの上から飛び降りた。

と、同時にその背後に引き連れていた無数のブージャム・ドールもそれに続いた。


( <●><●>)ゼエゼエ

( <●><●>)

(U'A`)「お前らは生け贄ってことだな」


 他人事のようにドクオがつぶやいた。
13.
( ・∀・)(クソ、多すぎる! 僕はともかくクーを守り切れないぞ)

(U'A`)「噂が本当なら、連中はお前らを生け捕りにして連れ帰るはずだ」

( ・∀・)「クー、降参しよう」

川#゚ -゚)「うわああああ!」


 クーはいきなりジグザグに向かってショットガンをぶっ放した。

激しい金属音を上げ、外骨格が散弾を弾き返す。

 もう一丁を抜こうとした時、隣に回り込んだブージャム・ドールがクーを抱え上げた。


( <●><●>)ゼエゼエ

川;゚ -゚)「離せ、この野郎!!」

(;・∀・)「クー! ちっくしょう」


 もはやヤケクソで剣を振るうが、数が多すぎた。

相手を寄せ付けないのに精一杯で、クーを担いで引き上げるブージャム・ドールに近づくこともできない。

14.
(;・∀・)「待ちやがれ、クソ……ぐっ!?」

( <●><●>( <●><●>) ヒュッ!!


 そちらに気を取られた時、ジグザグが投げた剣がドクオの胴体を貫いた。

 ひざまずき、剣を取り落とす。


(  ∀ )「がはっ……」

川 ; -;)「モララ―――!!!」


 ジグザグはモララーを一瞥し、部下たちと来た道を引き返していった。

その際、ブージャム・ドールの一体が彼の胴体から剣を引き抜き、回収してゆく。


( ・∀・)「くっ……」


 傷が塞がるころにはもう、広場には誰もいなくなっていた。

狂信者たちも姿を消している。

15.
 モララーは腹を抱えながら、地面に落ちていたクーのガンベルトを拾い上げた。


(;・∀・)「ちっくしょう、クー!! ちっくしょう……」

 
 絶叫する彼にドクオが歩み寄ってきた。

いつも通り、他人事のような態度で言った。


(U'A`)「喚いてる場合か?」

( ・∀・)「ああ、そうだ……このままで済ますもんか、あの野郎!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 城の入り口にまでたどり着いた。

中は鬱蒼として暗く、壁にかけられたほのかな灯りが点々と奥へ続いている。


(U'A`)「覚悟はいいか? ここから先はブージャム・ドールの巣だぞ」

( ・∀・)「ああ、やってやる! 王の野郎もついでにぶっ飛ばしてやるぞ」
16.
 剣をしっかりと握り締め、ごくりと唾を飲み込む。

モララーは意を決し、中へと入っていった。


( ・∀・)(待ってろ、クー)


 入ってすぐはエントランスホールになっていた。

二重螺旋を描く壮麗な階段が中央にあり、上へと伸びている。

いずれも真っ白で、金で縁取りがしてあった。


( ・∀・)「う、うわ……」


 そこらじゅうにブージャム・ドールの亡骸が転がっていた。

切断され、あるいは壁に串刺しにされている。


( ・∀・)「王が暇つぶしに自分を襲わせてたって言う……」

(U'A`)「そうだ。人間を相手するのに飽きてからはな」

17.
 階段を上がってゆく。

天井が見えないくらい高い。モララーはそれをひたすら上がり続けた。

ふつうのビルならもう30階分は上がっただろうか?


(;・∀・)「王はずいぶん足腰が強かったみたいだな」

(U'A`)「昔はこれがエスカレーターみたいに動いてたんだよ」

( ・∀・)「お前、何でそんなことに詳しいんだ?」

(U'A`)「王のそばにずっといたからだ。正確には箱のそばにだが」


 モララーは足を止めた。


( ・∀・)「そろそろ話してくれ。お前は誰なんだ?」

(U'A`)「俺は箱の一部だ。管理者とか護衛とか言うのとはちょっと違うが」

( ・∀・)「どういう意味だ?」

(U'A`)「話してる暇はなさそうだな。ほら、来たぞ」

18.
 あの苦しげな息づかいがした。


( <●><●>)ゼエ、ゼエ


 風を切る音とともに、翼を持つブージャム・ドールが舞い降りてきた。

ムカデのように長い胴体にトンボのような羽根が連なっている。


(;・∀・)「あれは……?!」

(U'A`)「〝ドラゴンフライ〟か」


 同時に上から飛び降りてきた二体のブージャム・ドールが、モララーを挟み撃ちにした。


( <●><●>)ゼエゼエ

( <●><●>)ゴボォッ


 手にしたねじくれた槍で同時に突いてきた。

モララーは身をよじってかわし、片方の胴体を剣で突いた。
19.
( <●><●>)ゴボ……

( ・∀・)「オラア!」


 同時に後ろのもう一体に蹴りを食らわせ、階段から叩き落とす。

すぐに剣を振るい、串刺しにしていた方も投げ捨てた。


( <●><●>)ゼエッ


 新手が群れを成し、階上から雪崩れ込んで来た。


(;・∀・)「うわっ、くそ!」


 剣で蹴散らすが、数に押されて徐々に後退してゆく。

その時、周囲を回遊していた羽根を持つブージャム・ドール、ドラゴンフライが突っ込んできた。


(;・∀・)「!!」

( <●><●>)
20.
 顎が階段を削り取る。

モララーは寸前で壁を蹴り、相手の上に飛び乗っていた。


( ・∀・)「うらああああ!!」


 眉間に剣を突き立てる。

相手はすさまじい悲鳴を上げ、身をくねらせて彼を振り落とそうとした。

 モララーはその節くれ立った背の上を走って勢いをつけると、尻尾の先端を蹴って再び階段に舞い戻った。


( <●><●>)ブギャアアアア……

(;・∀・)「うおっと、あっぶねえ」


 手すりに捕まり、はるか下へ落ちてゆく相手を見下ろす。


(U'A`)「まだ終わってないぞ」


 階段の上から降りてきたドクオが言った。
21.
雑魚のブージャム・ドールたちが駆け降りて来ると、ドクオをよけてモララーに殺到した。


(#・∀・)「うおおおおお!!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 数時間後、モララーは階段の一番上の段に手をかけた。

ふたつの階段は大きな丸盆に到達して終わっている。


(;・∀×)「ぜえ、ぜえ」


 何とか体をそこまで持ち上げ、ごろりと仰向けになった。

体には何本もの槍やブージャム・ドールの腕が突き刺さり、全身を返り血で真っ黒にしている。

左目はえぐり出されてなくなっていた。

 肘から先のない腕を呆然と見上げた。


(;・∀×)「ぜえ、ぜえ……ちっくしょう、腕どっかに落っことしてきちゃった……」
22.
(U'A`)「すぐに生えてくるさ。じっとしてろ」


 言われた通りにした。

城はまだまだ続き、天井はかすんで見えない。


( ・∀×)(何だろう、昔もこんな目に遭ったような……?)


 荒く呼吸をしていると、またキュートのことを思い出した。

右手で自分の頬に触れる。

彼女の手がそこに触れた瞬間の感覚が、今もまだはっきりとそこに残っている。


( ・∀×)(君は誰なんだ? なぜ僕の心に焼き付いているんだ?)


 丸盆から周囲八方向に渡り廊下が伸び、それぞれ壁に開いた通路に続いている。

白い床に横たわっていたモララーは、かすかにその震動を感知した。


( ・∀×)(なんか来る)
23.
 バランスを崩しながらも何とか立ち上がると、奥の通路のひとつに人影が現れた。

頭がふたつ、腕が四本、ヤギの足を持ち、背に四本の剣剣を背負っている。


( <●><●>( <●><●>)

( ・∀×)「ジグザグ! あの野郎……」


 たちまち左腕の傷がうずき、肉が盛り上がってまっさらな腕が生えた。

同じく再生された左の眼球で相手を見据える。


( ・∀・)「クーをどこにやった!」

( <●><●>( <●><●>)


 相手は無言で剣を抜き、モララーと相対した。

 たちまち剣戟が火を噴く。


(;・∀・)(クソッ、強い!!)

24.
 ただ力任せに振り回しているだけではない。

綿密なシミュレーションに裏打ちされた、れっきとした剣術だ。


( ・∀・)「ハァッ、ハァッ」

( <●><●>( <●><●>) シィィイッ


 モララーは自分の体に刺さっていたブージャム・ドールの腕を引き抜き、それを相手に投げつけた。

ジグザグが剣で叩き落とした瞬間の隙を突き、腕の一本を切り落とす。


( <●><●>( <●><●>)「!!」


 返す刀を浴びせようとした時、相手はくるりと背を向けた。

足が跳ね上がり、モララーは蹄の後ろ蹴りをみぞおちに受けた。

自分の内側で肋骨が粉々になり、内臓が破裂する音がした。


ボギボギ(  ∀ )「ごほっ……」

25.
 柵まで吹っ飛ばされ、叩き付けられる。

すかさず間合いを詰めた相手の三本の剣が心臓を貫いた。


( ・∀・)「がはっ」

( <●><●>( <●><●>) グワッ


 間髪入れずふたつの頭が噛みついて来る。


( ・∀・)「うおおおおお!!」


モララーはガンベルトからショットガンを抜いた。

ズドン!!

ジグザグの頭の片方が吹っ飛ぶ。


( <●><●>(*';";;"';)「!!」


 相手は悲鳴を上げ、モララーを投げ捨てた。
26.
虚空を舞い、丸盆が遠退いてゆくのを、モララーはどこか意識の遠くで感じていた。


(  ∀ )(登り直しかよ、ちくしょう……)



















つづく……


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完全犯罪(カンザイ)
プラネットライカは隠れた名作

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