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ハイパーメタボリックエンジェルズのようです #7

フィレンクトのキャラクターがなんかよくわからないので勝手に決めてしまった。

1.
 ここは休日のVIPニュータウン。

繁華街は今日も買い物客で賑わっていた。


ワイワイ (・∀ ・)(´・ω・`) ミセ*゚ー゚)リ(゚、゚トソン ガヤガヤ


とある雑居ビルの裏手に、裏路地に面した壁がある。

抜け道でもないので人の気配はない。

 僅かに震動があった。パラパラと埃が落ち、壁の一点にヒビが走る。


ξ#゚⊿゚)ξ「んどらぁああああああああ」


絶叫と共にヒビは亀裂へ、そして亀裂は瓦礫に代わり、何かが壁を突き破って飛び出してきた。



ハイパーメタボリックエンジェルズのようです

#7 F.O.G


2.
(゚q 。)「……!!」


 現れたのは少女とゴリラ並みの体格を持つ大男の二人だ。

壁を突き破ったのは男の体だった。

ツンがひたすら胸板に叩き込む拳の連打の圧力に負けて、押し付けられていた鉄筋コンクリートの

壁を遂には破ったのである。


ξ#゚⊿゚)ξ「あああああああああ」

(゚q 。)ウ……ボ……ア……


 打ち込まれるままに力なく後退し、今度は路地の反対側の建物の壁にもたれかかる。

それでもツンは絶え間なく拳を放ち続けた。


(゚q 。)アー……


とうとう男の姿は崩れ、霧と化して散ってゆく。

3.
ツンの何百発目かのパンチは空を薙ぎ、壁を叩いた。

ゴツン。


ξ;゚⊿゚)ξ ゼェゼェ「よーし、一番デカイのが片付いた!」

l从・∀・ノ!リ人「残りの掃除と行くのじゃー」


 穴をくぐって建物の中に戻る。

さっきまでツンが暴れ回っていた痕跡がそこらじゅうに残っていて、まるで嵐の後のようだ。


(;‘_L’)「うっくく……」


残っているのは一人だ。

他のミストドールはすべて掻き消え、僅かな人間も眼を回してぶっ倒れている。

 ツンはその男……にしては妙に細身で色白の、鼻が外人みたいに高いヤクザを指差した。




4.
ξ ゚⊿゚)ξ「帰って親玉に伝えなさい、税務署よりおっかないハイパーメタボリックエンジェルが

       ツケを取り立てに来たってね!!」

(‘_L’)「お、おぼえてらっしゃい! このフィレンクト様に恥をかかせた事……

     必ず後悔させて差し上げてよ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっと……二丁目の人だったんですか」


漫画みたいな典型的女走りで姿を消すその男を見送り、ツンは大きくため息をついた。


ξ;´⊿`)ξ「あーしんど。早いとこ帰っておやつ食べたいわー」

l从・∀・ノ!リ人「その前にやることがあるじゃろ」

ξ ゚⊿゚)ξ「はいはい、わかってますよ」


 “備品室”と書かれた部屋にダンボール箱が四つばかり積んであった。

箱を開くと中から小瓶に詰め込まれた血の霧飲料が現れる。


ξ ゚⊿゚)ξ「ここもこれっぱかしかー」
5.
l从・∀・ノ!リ人「リスクを避ける為にあちこちに分散してるんじゃろ」

ξ ゚⊿゚)ξ「連中もアホじゃないってことね」


 箱を四つとも抱えて屋上に上がると、床に置いて念入りに踏み付ける。


ξ#゚⊿゚)ξ「えいっ、えいっ」


瓶が砕け、血のように赤い液体が飛び散る。

すべてあっという間に揮発し、空中に溶けて消えた。

 後に残されたガラス片を見下ろし、ツンはため息をついて肩を落とした。


ξ;´⊿`)ξ「これで潰した事務所は三つ目か。キリないわねー」

l从・∀・ノ!リ人「F.O.Gは想像以上に大きいのう。根気がいるのじゃー」


 ここ一週間、ツンと妹者はF.O.Gを叩くべくその事務所を片っ端から潰して回っていた。



6.
彼らの口から吐き出させた情報によれば、同組織が街の売人に卸している麻薬“クリムゾン”は

血の霧を薄めて飲料にしたもので、飲むと一時的にミストキャリアーほどではないにしろ力が得られる。

特に使用者の欲望を叶えようとする精神に感応する為、強大な欲望の持ち主ほど大きな効果があるのだ。


l从・∀・ノ!リ人「ツン、金庫を探してこじ開けるのじゃー。

         何か連中の手がかりが得られるかも知れん」

ξ*゚⊿゚)ξ「ほほう、金庫。それは賛成だわ」


 事務所に戻って社長室というか、とにかく一番偉い人が使ってそうな部屋に入る。

立派なマホガニーの机の後ろに小型冷蔵庫くらいの大きさの金庫があった。


ξ ‐⊿‐)ξ


眼を閉じ、頭から生えているウサミミに意識を集中させつつ、暗証シリンダーを回転させる。

チキチキ、チキチキチキ……

ウサミミによって得られる驚異的聴力を頼りに数度シリンダーを回すと、扉が開いた。
7.
ξ*゚⊿゚)ξ「どんなもんだい」

l从・∀・ノ!リ人「お前も力尽く以外の方法を思いつくことがあるんじゃのう」

ξ;゚⊿゚)ξ「ほっといてください……」


 中には札束がいくつかと拳銃、その他書類などが入っていた。


ξ*゚⊿゚)ξ「す、すごーい! 渡辺ベーカリーのパンが店ごと買えちゃう!」

l从・∀・ノ!リ人「……」

ξ;´⊿`)ξ「はいはい、ネコババなんかしませんって」

l从・∀・ノ!リ人「うむ。我らが成すべきは金儲けではないのじゃー」

ξ ´⊿`)ξ「正義の味方……プライスレス」


 書類はクリムゾンの売上高やらハイパーメタボリックエンジェルについて警戒を促す

報告書のようなものばかりで、特別に価値がありそうなものはない。

更に奥を調べると無記名のCD-Rが一枚出てきた。

8.
ξ ゚⊿゚)ξ「なんだこりゃ」

l从・∀・ノ!リ人「それってこの世界の情報媒体じゃろ。あやしいのう」

ξ ゚⊿゚)ξ「あ、パソコンあるよ。見てみよう」


机の上にあったノートパソコンに入れようとしたところで、パトカーのサイレンの音が聞こえた。

誰かが通報したらしい。


ξ;゚⊿゚)ξ「こりゃいかん、続きは後だ」

l从・∀・ノ!リ人「逃げるのじゃー」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 適当な裏路地に入り、右手を持ち上げて地面と水平にする。


ξ ゚⊿゚)ξ「メタボリックチェンジ!」


全身が光に包まれ、それが収まった時には失われていた体重が一気に戻ってくる。
9.
突然重たい服を着せられたような感覚に襲われながら、ツンはパソコンを抱えて裏路地を出た。


ξ;´ з`)ξ「やれやれ、いつになったら変身後の姿になれるのやら」

l从・∀・ノ!リ人「減った分だけ食ってる間は無理なのじゃー。

         いい加減に間食をやめたらどうなのじゃ?」

ξ*´ з`)ξ「それは出来ない相談ですな。

        ブヒヒ、今週あたり渡辺ベーカリーの新作が出るって噂なんですよ」

l从;・∀・ノ!リ人「……まあ、お前の人生なのじゃー。好きにするのじゃ」


 駆け付けた警官がたった今しがたツンの出た事務所に乗り込み、調査をしている。

たちまち集まってきたヤジウマが「ハイパーメタボリックエンジェルだ」とか何とか口々に囁いているのが聞こえた。


ξ*´ з`)ξ「お、知名度上がって来てるじゃない。ウヒヒ、アイドルの座はすぐそこだ」

l从・∀・ノ!リ人「それよりその、パソコンって言うのかえ、それごと持ってきてどうするのじゃー」

ξ ´ з`)ξ「ん? そういやそうだね。どうしようこれ」
10.
l从・∀・ノ!リ人「学校で習ってるんじゃろ? 使い方」

ξ ´ ~`)ξ「ん~……」


 ツンは近所の公園に行き、ベンチに腰を下ろした。

パソコンを開いて起動させる。

CDドライブのアイコンをクリックすると……


―――ン……ンアッ、ラッ、ラメエ……アアン……

ξ ゚ з゚)ξ「フギャアアアア!!」

l从;・∀・ノ!リ人「おお!?」


たちまち顔がトマトみたいに真っ赤になった。

ビックリしてパソコンを落としかけるも、慌てて捕まえて閉じ、両腕で胸の中に抱き込む。


ξ;///з//)ξ「こ、こんなとこで保健体育の授業はしちゃいけないわー」

l从;//∀//ノ!リ人「れっ、連中の資金源の一つかのう」
11.
ξ;´ з`)ξ「あービックリした」


周囲を見渡し、人に見られていないか確かめる。

幸い衆人環視は事務所の方に集まっていた。


ξ ´ з`)ξ「結局収穫なしかー」

l从・∀・ノ!リ人「待つのじゃー、そっちのパソコンの方に何か情報が残ってるかも知れんのじゃー」

ξ ´ з`)ξ「ん、そうか」


 CD-Rを抜き、周到に指紋を拭き取ってからゴミ箱に投げ捨てる。

改めてパソコンを開き、ありとあらゆる場所をクリックしまくった。


ξ;´ з`)ξ「わたしパソコン持ってないからなー。あんまり得意じゃないんだけど……」

l从・∀・ノ!リ人「どうなのじゃ?」

∩ξ ´ з`)ξ∩「えっと、全然わかんない」


12.
お手上げのポーズを取る。


ξ ´ з`)ξ「もっと詳しい人じゃないとー」

l从・∀・ノ!リ人「んん、しかし内容を鑑みれば誰にでも頼めるものではないのじゃー」

ξ ´ з`)ξ「……あー、一人思い当たる人が。ほら、クーちゃんのお父さん」

l从・∀・ノ!リ人「ん? ああ、あのじいさんか」

ξ ´ з`)ξ「荒巻さんって言ったっけ。あの人なら頼んでもいいじゃない?」

l从・∀・ノ!リ人「どうやって連絡を取るのかえ?」

ξ;´ з`)ξ「えーと……と、とりあえず明日クーちゃんちに行ってみよう。

        どっちにしろお見舞いに行く予定だったし」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 翌日。

先日誘拐されたクーは数日に渡って学校を休んでいた。

13.
 放課後、ツンはドクオと一緒に校門を出た。


('∀`)「フヒヒ、お見舞いお見舞い楽しいな! 素直さんが寝巻でお出迎えか」

ξ ´ з`)ξ「あんたは別に来なくていいってー」

('A`)「頼むよ姉ちゃん。ほら、花だって買っといたんだぜ」


ドクオはサザンカの花を一輪手にしている。


ξ;´ з`)ξ「サザンカはお見舞いに持ってっちゃいけないんだってば……」

('A`)「俺の小遣いじゃこれ買うのが精いっぱいだったんだよ」


 学校を出ていくらも行かないうちに、道端に停車していた車から声をかけられた。

パワーウィンドウの下りた助手席から荒巻が顔を出している。


/ ,' 3「よう、お嬢ちゃん」

ξ ´ з`)ξ「あっ、パパさんじゃないですかー」

14.
/ ,' 3「む……クーに聞いたのか。先日はすまんかったな」

ξ ´ з`)ξ「いやあ、クーちゃんが無事で何より」

/ ,' 3「クーんちに行く予定があるなら、こいつを持ってってくれんかのう」


荒巻は高級菓子店の包みを取り出し、差し出した。


ξ*´ з`)ξ「おお、んまそうなチョコケーキ」

/ ,' 3「クーと二人で食べてくれい」

('A`)(……俺は?)

ξ*´ з`)ξ「ブヒヒ、ゴチになります。でも自分で届けりゃあいいじゃないですかー」

/ ,' 3「合わす顔がないってヤツでな」


荒巻は自嘲気味に笑い、手を振った。

溜め息をつく。


/ ,' 3「すぐそばにあるモンなのに、手を伸ばしてもなかなか届かんのう」
15.
ξ ´ з`)ξ「極道さんは普通の人より指が短いですからねー」


ツンが自分の小指を隠して先がない仕草をして見せる。

ドクオは青ざめた。


(;'A`)(姉ちゃん、そのジョークはヤバすぎだろ!!)


しかし荒巻は大笑いした。


/ ,' 3「グハハハハ、うまい! うまいぞ、お嬢ちゃん」

ξ*´ з`)ξ「あはははは」

(;'A`) ドキドキドキ

/ ,' 3「クーによろしく頼むわい」

ξ ´ з`)ξ「そんじゃまたー」


 荒巻が運転手に命じて車を出させる。

16.
彼が行ってしまうとドクオは安堵のため息をついた。


('A`)「え? 素直さんってヤクザの娘だったの?」

ξ ´ з`)ξ「うんまあ、そういうことみたい」

(;'A`)「俺の恋路がエベレスト級に険しくなってきた……」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 クーのマンションに入ろうとオートロック前で立ち止まった時、背後でパトカーが停まった。

警官に付き添われてクーとその母親が下りてくる。


ξ ´ з`)ξ「お」

川 ゚ -゚)「ん、ツンじゃないか。どうした?」

('、`*川「ツンちゃんじゃない」

('∀`)「ブヒヒ! 俺もいますぜ」

(,,゚Д゚)「そんじゃあ俺はこれで。お疲れさんでした」
17.
川 ゚ -゚)「ああ、どうも」


警官がパトカーに戻って車を出すと、クーは二人の方へ向かった。


ξ ´ з`)ξ「また事情聴取ってやつですかい」

川 ゚ -゚)「うん、色んな人に同じこと何度も聞かれてヘトヘトだよ。その箱、おみやげか?」

ξ ´ з`)ξ「チョコケーキですよ」

('、`*川「また随分高そうなのを」

ξ ´ з`)ξ「いやあ、パパさんがくれたの。クーちゃんの」

川 ゚ -゚)「荒巻さんが?」

ξ ´ з`)ξ「えらい気にしてたみたいだよ。

         自分のせいでクーちゃんを巻き込んだわけだし」

川 ゚ -゚)「……」

('、`*川「あの人に会ったのね」


18.
二人はなんとも言えない表情をした。

感情が複雑に絡み合ってるって顔。


川 ゚ -゚)「悪いけど今日は一人にしてくれないか。疲れたよ」

ξ ´ з`)ξ「あーうん、すぐ帰るつもりだったから」

('∀`)「お花どーぞ」

川 ゚ -゚)「ん? ドクオもいたのか」

('A`)「うん、さっきからずっと……」

川 ゚ -゚)「まあ、とにかく二人ともありがとう」

('、`*川「気ィ使わせたわねー」

ξ ´ з`)ξ「ばいばーい」

('∀`)「学校でお姿を拝見できるのを楽しみにしてますぞ!」


箱と花を手にマンションに消えるクーと母親を見送り、ツンたちも帰路につこうとした時、クーの母親だけ戻ってきた。

19.
('、`*川「ちょっといい、ツンちゃん」

ξ ´ з`)ξ「はい?」

('∀`)(お母さんもどえらい美人ですなあ。俺のストライクゾーンが広がりそう)

('、`*川「えっとね、こんなこと言って悪いんだけど、もし次にあの人に会っても知らんぷりしてね」

ξ;´ з`)ξ「え? パパさんのことですか?」

('、`*川「クーが危ない目に遭ったの知ってるでしょう。また巻き込まれるかも」

ξ ´ з`)ξ「それはちょっとかわいそうじゃ……」

('、`*川「わたしだって二度とあの人と顔あわせたくないってわけじゃないのよ。

     でも少なくともあの人が危ないことしてる間はダメ。いいわね」

ξ ´ з`)ξ「は、はーい」


今度こそ二人は帰路についた。


('A`)「ちぇ。素直さんの部屋の匂いを胸一杯に吸い込んでおきたかったのに」

ξ;´ з`)ξ「そんな変態的セリフを普通に言えるとは、世界を獲れる器だな」
20.
('A`)「んじゃ、俺古本屋寄ってくから」

ξ ´ з`)ξ「あいよ」


 ツン一人になると妹者がカバンの中から顔を出した。


l从・∀・ノ!リ人「クーは別に父親を嫌ってる様子じゃないのう」

ξ ´ з`)ξ「え? そうなの?」

l从・∀・ノ!リ人「あの二人はお互いの距離感が掴めないでいるだけなのじゃー。

         血の繋がりというのは厄介なもんなのじゃー」

ξ ´ з`)ξ「よくわかんない」

l从・∀・ノ!リ人「お前は本当に頭ん中まで鈍いのう。

         それよりパソコンはどうするんじゃ?」

ξ ´ з`)ξ「おっと、そうだった。変身して荒巻さんを探そう。

         クーちゃんのママさん、ごめん! 平和のためなんです!」


21.
 ツンは近所の公園の公衆トイレに入った。

個室に籠ってロックをかける。


ξ ´ з`)ξ「メタボリックチェンジ!!」


シルクハットとステッキを抽象化させたメダルの文様が浮かび上がって来て、手の中から飛び出し、

光を放って炸裂した。

自分の体が砕けるような感覚があり、すぐに飛び散った全身がまた戻ってきて一か所に固まる。


ξ ´ з`)ξ三ξ ´⊿`)ξ三ξ -⊿-)ξ三ξ ゚⊿゚)ξ「―――!!」


スレンダーボディに再構築されたツンが光の中から現れた。

折れそうなほど細い腰と肩、ほっそりした顎、優美なカーブを描いて伸びる足。

身にまとった膝下丈のタキシードは体にぴったりフィットしていて、彼女のスタイルをより美しく見せている。


ξ ゚⊿゚)ξ「変身場所は八割方おトイレ! ハイパーメタボリックエンジェル見参!」

22.
頭に生えたウサミミをピクピク動かしてキメる。


l从・∀・ノ!リ人「ちなみに変身シーンは毎回マイナーチェンジなのじゃー」

ξ ゚⊿゚)ξ「荒巻さんどこかなあ」

l从・∀・ノ!リ人「とりあえずさっき会ったとこへ行ってみるのじゃー」


 トイレを出て学校の近くまで戻り、荒巻に声をかけられたあたりを探す。

割と目立つ人なのだが見当たらない。


ξ ゚⊿゚)ξ「どっか行っちゃったかなー」

(゚、゚トソン「あ、お兄ちゃん、あの人! ホラ!」

(*^ω^)「おっおっおっ。いつかのハイパーメタボリックエンジェルさんじゃないですかお」


買い物袋を抱えたトソンと内藤が通りかかった。

つくづく狭い町だ。


23.
ξ ゚⊿゚)ξ「あ、どーも」

(゚、゚トソン「こんにちは、ハイパーメタボリックエンジェルさん。……この名前、長くないですか?」

ξ ゚⊿゚)ξ「HMAでもいいわよー」

(゚、゚;トソン(それも言いにくい……)

( ^ω^)「今日も街の平和を守ってるんですかお」

ξ ゚⊿゚)ξ「うんと、そんなとこ。ところでおじいさん見なかった?

      髪の毛が長くってみーんな白髪で、高そうなスーツの」

( ^ω^)「あ、さっき見ましたお」

(゚、゚トソン「あの似合わない車に乗ってた……」

( ^ω^)「いかにも悪党ってツラだったお。確か高速のインターのあたりにいたお」

ξ ゚ー゚)ξ「そんじゃ急いでるから。ありがと!」


ツンはさっそうとその場を離れた。


(*^ω^)「カッコイイお。コミカライズの話が来たら是非僕に描かせて欲しいお!」
24.
(゚、゚トソン「あ、いつか助けてくれたお礼言うの忘れてた」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 VIPニュータウンの高速道路はすべて高架の上にある。

巨大なコンクリートの円柱に支えられていて、その上を走っているのだ。

 ツンがインターまでやって来ると騒ぎが起きていた。


ξ ゚⊿゚)ξ「ん、なんだろ」

l从・∀・ノ!リ人「入口がぶっ壊されてるのじゃー」


誰かが車を突っ込ませて突破したらしく、料金所のバーが折れている。

職員が集まって何か言い合っていた。


(,,゚Д゚)「高速機動隊に連絡しろゴルァ!」

ミ,,゚Д゚彡「何か追われてるみたいだったが……」

25.
ξ;゚⊿゚)ξ「ヤな予感がする」

l从・∀・ノ!リ人「急ぐのじゃツン、あのおっさんに何かあったら情報が途絶えてしまうのじゃー」


確かに現段階でクリムゾンとF.O.Gについて一番詳しそうなのは彼しかいない。

 ツンは料金所の屋根に飛び乗り、それから適当な車に飛び降りた。

車から車へ飛び移りながら先を急ぐ。


ξ ゚⊿゚)ξ「……ん」


ツンのウサミミがピクつき、遠くの音を捕らえた。


ξ;゚⊿゚)ξ「銃声がする!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 少しだけ時間は遡り、ツンのいる場所から3キロほど離れた場所。

荒巻とその部下二人を乗せた乗用車はF.O.Gの追跡を何とか振り切ろうと四苦八苦していた。
26.
/ ,' 3「ええい、なんちゅうしつこい連中じゃあ」

(;-@∀@)「しくじりましたね、高架の上じゃ逃げ場がない!」


F.O.Gの構成員を乗せた車が三台、尻に食いついている。

車の性能は向こうの方が格段に良く、とても引き離せない。


(゚q 。)ウボァ


真横につけた一台がハンドルを切り、荒巻の車の横っ腹に体当たりをかけてきた。

ガシャン!!


/ ,' 3「ぐっ!」

(-@∀@)「うわっ!?」


フレームが軋み、ライトが砕け散る。


/ ,' 3「こいつら何でわしらが高速に入る事を知ってたんだ?!」
27.
(;-@∀@)「尾けられてたんですよ!

       だからお嬢さんの事は後にして下さいって頼んだのに……」

/ ,' 3「今更言ってもどうにもならんわい! くそっ、チャカは得意じゃないんだが」


 座席のヘッドレストのスイッチを押すと、隠しスペースが現れた。

そこから拳銃を取り出して弾丸を装填し、パワーウィンドウを下ろす。


/ ,' 3「仕掛けるぞ!」

(-@∀@)「オス!」


 F.O.Gの車がもう一度体当たりを仕掛けようといったん距離を置いた時、その車に面した

後部座席に乗っていた荒巻はそのまま、反対側の助手席にいたアサピーはハコ乗りの形で窓から

身を乗り出し、撃ちまくった。

しかし荒巻の腕を別にしてもまったく命中する気配がない。


/ ,' 3「なんだこのチャカは!? まっすぐ弾が飛ばんぞ」
28.
(-@∀@)「チャイニーズマフィアなんかからパチモンを買い叩くからですよ!

      だから俺はコルトにしとこうって……」

/ #,' 3「さっきからいちいちうるさいなお前は!!」


再び体当たりが炸裂し、衝撃で荒巻は車内に倒れ込んだ。

アサピーも振り落とされそうになり、慌てて車体に捕まる。


/ ,' 3「次のインターまで後どのくらいだ?」


ハンドルにしがみついている運転手からは絶望的な答えが返ってきた。


(;・3・) 「あと二時間は……こりゃあマズイですぜ」

/ ,' 3「フン、絶体絶命か」

ξ ゚⊿゚)ξ「ちわっす」


 フロントウィンドウに突然、逆さにツンの顔が現れた。

29.
(;・3・) 「へ!?」

(;-@∀@)「うわああ!?」

ξ ゚⊿゚)ξ「何かお困りのようだけど」

/ ,' 3「ど、どっから顔を出してるんだお前は?!」

ξ ゚⊿゚)ξ「おっと、失礼。場所空けてくれる?」


ツンはひらりと車内に身を滑り込ませた。

思わず退いてしまった荒巻の隣に腰を落ち着ける。


ξ ゚⊿゚)ξ「先日はどーも。実はね、F.O.Gの拠点をアレした時にパソコンを手に入れて。

      それで良かったら見てもらおうと思って」

/ ,' 3「お? おお、そうか」

ξ ゚⊿゚)ξ「何か役に立つ情報がぶっばらっ!?」


ミストドールを乗せた車が再度タックルをかけてきた。

30.
そのままハンドルを切り続け、荒巻たちを乗せている車を虚空と道路とを隔てるコンクリートの壁に

押し付ける。

車体とコンクリートが接した部分から怒涛の勢いで火花を噴き出した。


ξ#゚⊿゚)ξ「うっさいわねこのバカ! 話してる最中だっての!」


ツンはドア越しに思い切り相手の車を蹴飛ばした。

ガツン!!


(゚q 。)「!?」


凄まじい怪力が生むその威力に車体が浮き、片輪走行になってふらふら離れる。

少し離れたところでどすんと元に戻った。


(-@д@)

/ ,'д

31.
( ・д・)

ξ ゚⊿゚)ξ「……というわけなんだけど、協力してもらえるかしら?」

/ ,' 3「あっ? ああ……」


口をあんぐり開けたまま呆然と返事をする荒巻に微笑み返し、ツンはドアの外れた車から再び屋根の上へと

]躍り出た。


ξ ゚ー゚)ξ「それじゃあ、こっちの方を片づけちゃいましょうか!」


左手を持ち上げて意識を集中させると、手の甲にステッキの模様のメダルが浮かび上がる。

手から飛び出して実体化したメダルは空中でポンと弾け、実物のステッキになった。


ξ ゚⊿゚)ξ「ほいっと」


 さっき体当たりして来た車に飛び移る。


(゚q 。)「!?」
32.
ξ ゚⊿゚)ξ「悪いけどここでお別れよ!」


ステッキに仕込まれた刀を抜き放った。

銀光が一閃し、ツンが足場にしているフロントから後ろを切断する。

突然エンジンと前輪を失って荷車みたいになった車はスピンし、はるか後方へと消えて行った。

 アスファルトと設置した切断面から火花を噴きながら、ツンを乗せた車の一部は尚も走る。


ξ ゚⊿゚)ξ「んっと、あと二台か」


フロントガラス越しにミストドールの虚ろな顔が見える。

二台の後部座席と助手席から乗員が身を乗り出し、拳銃を構えた。


(゚q 。)ウボァァ!!

ξ;゚⊿゚)ξ「おっと!」


足場にしているフロントの隅まで飛び退き、ボンネットをつま先で蹴り上げて開け、盾にする。

33.
防弾仕様の車らしく、これで十分弾丸を防げた。

増設された鉄板の装甲が銃弾を弾き返す耳障りな音が数度響く。


ξ#゚⊿゚)ξ「ふんっ!!」


刀の切っ先を剥き出しのエンジンに突き刺し、思い切り引っ張る。

色んなパーツが折れたり砕けたりする音がしてエンジンが引っこ抜けた。


ξ#゚⊿゚)ξ「どりゃあああエンジンミサイル!!」


大きく振りかぶって一番間近な車に投げ付ける。

エンジンはフロントガラスを突き破り、ミストドールを押し潰した。


(゚q 。)ウボッ!?


進路が狂い、コンクリートの壁に突っ込んで爆発・炎上する。

 足場のスピードが落ちてきたのでツンは一度荒巻の車に戻った。
34.
荒巻が身を乗り出し、彼女に呆れたような顔で賞賛を送る。


/ ,' 3「お前さんスゴすぎるな」

ξ ゚⊿゚)ξ「もっとホメていいのよー。それにしても、もちょっと速く走れない?

      追いつかれちゃうわ」

( ・3・)「目立たないように大衆車選んだからなー。これが限界なんだ」

ξ;゚⊿゚)ξ「目立たないって、荒巻さん車よりそのカッコどうにかするのが先じゃない?」


荒巻は映画の悪役マフィアしか着なさそうなスーツの襟を引っ張って形を整えた。


/ ,' 3「うむ、わしのポリシーなんでな」

(-@∀@)「来るぞ!」


後ろから一台、追突して来た。

衝撃が車のトランクから鼻先までを駆け抜ける。


35.
ξ;゚⊿゚)ξ「うわっ、とっ、とっ!」


バランスを崩しかけるも、ツンは両手をぐるぐる回しながら何とか持ち応えた。

 ミストドールの運転する車は荒巻たちの車を押す形で密着させ、動きを封じている。

パワーウィンドウが下り、男が一人屋根に上がってきた。


(‘_L’)「ウフフ、ウフフフ、奇遇なところで再会しますわネ」

ξ;゚⊿゚)ξ「うっ、昨日の変態!」

(#‘_L’)「フィ・レ・ン・ク・ト! 名前くらい覚えて下さらない」


体をクネらせながら彼はベルトに下がっていたトンファーを手で引き抜いた。

それを手の中で踊らせるようにして回し、構える。

いかにも使い慣れている感じだ。


(‘_L’)「ウフフ、ウフフフ、あなたと会長さんをここで始末すればワタクシ大躍進の予感!

     あなた方にはワタクシの出世の礎となって頂きますわよォ」
36.
ξ ゚⊿゚)ξ「会長さん……?」


相手の頭の周囲がかすかに赤みを帯びて見える。


l从・∀・ノ!リ人「ツン、こいつはミストキャリアーなのじゃー!」

(‘_L’)「ウフフ、ワタクシをクリムゾンのインスタントどもと一緒にしない方が良くってよ!

     ヒョォオウ!!」


 甲高い気迫の声を吐き出しながら踏み込みをかけ、フィレンクトはトンファーを回転させて横殴りの一撃を

放って来た。

ツンがそれを刀で防ごうとした時、相手のトンファーは間合いに届く寸前にくるりと回って元の場所に戻った。


ξ ゚⊿゚)ξ(フェイント!)


そう気付いた時にはもうフィレンクトは左手でもう一本のトンファーをベルトから抜いていた。

こっちの脇腹目がけて飛んでくる。

37.
ツンは片足を跳ね上げ、膝でそれを防いだ。


ξ;゚⊿゚)ξ「うぐっ」

(‘_L’)「ウフフフ、ウフフフフ!! まだまだこんなモンじゃあなくってよォ!」


 細身だが体重の乗せ方やトンファーに遠心力を溜めるのが巧みだ。

最小限の動きで最大の破壊力を発揮する動きを心得ている。


l从・∀・ノ!リ人「ほほう、見た目はアレだがなかなかやるもんじゃのう」


二人は斬り結び、時に火花を弾けさせて対峙を続けた。

しかし足場の狭いこの場所では少ない動きで攻撃を繰り出せるフィレンクトに有利だ。


ξ;゚⊿゚)ξ「ぐっ、くそっ、うわっ」


ツンの刀では懐に入られると振るう余裕がなくなってしまう為、防戦に回らざるをえない。

とうとう車体の隅にまで追い詰められる。
38.
/ ,' 3「クソ、待ってろ嬢ちゃん、わしが助太刀……」

(;-@∀@)「やめろおやっさん、ここは彼女に任せるんだ!」


 車外に出ようと身を乗り出す荒巻をアサピーが捕まえる。


(‘_L’)「キェェェエ!!」


横薙ぎの一撃。

またも間合いの外でフィレンクトが腕を引き、トンファーを手の中で回転させる。


ξ ゚⊿゚)ξ(二度は食わないわ!)


反撃に移ろうと、刀の柄を握っている拳でボディブローを放つ。

だがフィレンクトはすぐさまトンファーをもう一回転させてツンの横顔に叩き込んだ。


ξ*)>⊿<)ξ「ぶふっ」

(‘_L’)「男女同権キーック!!」
39.
よろめいたツンに蹴りが飛んできた。

防ぐこともかわすことも出来ず、ツンの胸板に突き刺さる。

彼女の体は虚空に放り出された。


ξ ゚⊿゚)ξ「うわっ……」

/ ,' 3「嬢ちゃん!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「何のっ」


100キロ近い速度で流れているアスファルトに叩きつけられる寸前、ツンはすぐそばを走っていた

トラックのコンテナに刀を突き刺した。

そこに捕まってことなきを得る。


ξ;´⊿`)ξ「ふぅ。危ない危ない」

(#‘_L’)「ムキー! ゴキちゃんのようにしぶとい方!」


ツンがコンテナの屋根に上がると、フィレンクトがジャンプして追って来た。
40.
再び対峙する。

 相手は余裕綽綽でトンファーをくるくる手の中で回して見せた。


(‘_L’)「ん、なァるほど、社長が注意を促しただけのことはあるかしら」

ξ;゚⊿゚)ξ「くっそー、思ったより強いなあ」

l从・∀・ノ!リ人「血の霧を受け入れても理性を保ってるところを見ると、こいつはクックル以上には

        適合しとるのう。ロマネスクほどではないようだが……」

ξ ゚⊿゚)ξ「中の下か中ってとこね」

(#‘_L’)「中だの何だの人をトロみたいに言わないで下さる?

      今度こそお死になさい!」


再び放たれるインファイトでの猛攻に、ツンは再び追い詰められてゆく。

だが彼女は防戦に回りながらもタイミングを計っていた。


ξ;゚⊿゚)ξ(まだよ、まだ……もうちょい……)

41.
(‘_L’)「そぉい!!」


油断した隙に刀を真上に跳ね上げられ、ツンは体勢を崩してほぼバンザイをするような格好になった。

ギィン!!


ξ ゚⊿゚)ξ「あっ」


胴がガラ空きになる。

フィレンクトはすかさず両側から挟みこむ形でツンの両の脇腹にトンファーを放った。

かわせない!


(‘_L’)「キェェエイイ!!」


どすっ!

肋骨が軋み、衝撃が内蔵を突き抜ける。


ξ;>⊿<)ξ「……!!」
42.
(‘_L’)「ウフフフ、ウフ、ウフフ……ん?」

ξ;>⊿<)ξ(い、今だっ!)


苦痛に背骨が痺れ、胃袋が引っくり返りそうになりながらも、ツンは腕で相手のトンファーを脇の下に挟み込んだ。

そのまま相手を引き込んで背中側に倒れ込み、両足を使って真上に放り投げる。


(;‘_L’)「あらん!?」


虚空に浮いた彼目がけて何かが物凄い勢いで向かってくる。

道路を渡すようにかかっているアーチで、スピード違反の車を捕らえるカメラを搭載したあれだ。


(;‘_L’)「らっ、らめえええええ!!」


フィレンクトの体はそこに真正面から突っ込んだ。

ガシャア!!

 アーチが針金みたいにひしゃげる光景はすぐに遠退き、やがて見えなくなった。
43.
ツンは何とか立ち上がろうとした。


ξ;>⊿<)ξ「うっ……」


全身がバラバラになりそうな苦痛が駆け抜ける。


l从・∀・ノ!リ人「ツン!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「大丈夫。うう、最後のは効いたわー」

l从・∀・ノ!リ人「しばらくジッとしてるのじゃー、スーツが回復してくれるのじゃ」


 言われた通り四つん這いのまま動かずにいると、少しずつ痛みが引き始めた。

一分ほどすると立ち上がれるようになり、ツンは脇腹を両手で押さえながら荒巻の車の方を見た。


/ ,' 3「食らえィ!!」


フィレンクトを乗せていた真後ろの一台に向かって、即席の火炎瓶を投げ付けている。

フロントガラスを炎に覆われて視界を失い、ミストドールが運転するその車は迷走を始めた。
44.
(゚q 。)ウボァァア!?


やがてコンクリートの壁にぶつかり、勢い良く引っくり返って後ろに消える。

あれが最後の一台だ。


/ ,' 3「嬢ちゃん、戻れ! 片付いたぞ!」

ξ ゚⊿゚)ξ「ほいっと」


脇腹を庇いながら荒巻の車に飛び移る。

と、すぐに頭のウサミミが異変を察知した。


ξ ゚⊿゚)ξ「!!」

/ ,' 3「どうした? 中に入れ」

ξ ゚⊿゚)ξ「サイレンの音がする。すぐ近く!」


アサピーが助手席に積んであった警察無線のスイッチを入れた。

45.
高速機動隊が暴走車(もちろん自分たちの事だ)を追跡中、各インターに検問を設置せよという内容が

スピーカーから漏れ出す。


(;-@∀@)「チクショー、よくよくトラブルに好かれる日だ!!」

/ ,' 3「むう……」

( ・3・)「どうしますかい、突破しますか?」


話し合っているうちにサイレンを鳴らしたパトカーが数台、後ろから追って来た。

荒巻が車外に身を乗り出し、屋根に乗っているツンに聞く。


/ ,' 3「嬢ちゃん、何とかできんか」

ξ ゚⊿゚)ξ「あれの撃退はお断りするわよ、ハイパーメタボリックエンジェルは正義の味方だもん」

/ ,' 3「信念を曲げんのは立派だが、時にはもっと物事を柔軟に考えてだな」

ξ ゚⊿゚)ξ「……ん、待って」


この先のやや遠くで、高架が大きな河川と交差している。
46.
ツンは身を屈めて車内を覗き込んだ。


ξ ゚⊿゚)ξ「運転手さん、あの川に飛び込めない?」

( ・3・)「川に……なんだって!?」

(;-@∀@)「真面目に考えてくれ、映画じゃないんだぞ。

      イチかバチか車を捨てて非常用階段を降りるってのは?」

/ ,' 3「バカ言うな、あっという間に囲まれるぞ。嬢ちゃん!」

ξ ゚⊿゚)ξ「ほい」


荒巻は腕を組み、座席にどさりと背を預けた。


/ ,' 3「あんたにすべてに任せる」

(;-@∀@)「正気ですかおやっさん!?」
                         オトコ
/ ,' 3「お前らも極道ならハラくくれ! 今が侠の見せ時だぞ」

( ・3・)「どうするんだ? コンクリートのガードは飛び越せないぜ」

47.
ξ ゚⊿゚)ξ「わたしが穴を開けるわ。信じて」


 ツンは車の屋根の上で跪き、両手を組んで銃の形にした。

車内の一同も腹を据え、正面を睨む。


(;-@∀@)「落ち着いてますね。さすがおやっさんだ」

/ ,' 3「うむ」

(-@∀@)「ところでおやっさん、あんた泳げなかったんじゃ……」

/ ,' 3


ツンは両手の人差し指の先に狙いを付けた。

全身の熱が指先に集まり、閃光の球体を成す。


ξ ゚⊿゚)ξ「カロリィィ……」

/ ,' 3「やめろ嬢ちゃん、やめてくれえええ!! その案はやっぱ中止……」

ξ ゚⊿゚)ξ「ブレイク!!」
48.
荒巻の悲鳴を掻き消して放たれたエネルギーの弾丸はガードに突き刺さった。

着弾と同時に炸裂し、コンクリートをえぐって穴を開ける。

すかさず運転手がハンドルを切って車をそこに突っ込ませた。


ξ;゚⊿゚)ξ/ ,' 3(;-@∀@)(;・3・)「うわああああああああ……」


フロントガラス越しの視界からアスファルトの道路が消え、不意に重力が消えた。

少しずつ車体の鼻先が下がっていって、やがて川の水面がいっぱい映り……


ξ;゚⊿゚)ξ/ ,' 3(;-@∀@)(;・3・)「……ああああああああ!!」


ドボーン!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 しばらく後、そのやや下流。

河川敷の公園では少年が犬の散歩をさせていた。
49.
(´・ω・`)「ははは、ジョン! そーら、取って来い」

▼・ェ・▼ ワンワン


少年が投げた木の棒を犬が咥えて取ってくる。


(´・ω・`)「それ、もう一回だ!」


棒を再度投げたその時、川岸が突然持ち上がった。

淀んだ水を掻きわけて、男二人と老人を担いだ少女が這い上がってくる。


ξ;゚⊿゚)ξ「ぶはーっ!!」

(;-@∀@)「おお、生きてる! 奇跡だ!」

( ・3・)「おやっさん、大丈夫か?」


少年が投げた棒は空中をくるくる回転しながら飛んで行き、荒巻の頭にぶつかった。


/ ,' 3「いだっ。うう、何とかな」
50.
ξ#゚⊿゚)ξ「もー、泳げないなら最初に言ってよぉ!」

/ ,' 3「自分自身忘れとってのう。はっはっは、こりゃうっかりしとったわい」


四人はお互いの体を支え合って岸に上がり、そこに座り込んだ。


(-@∀@)「警察は?」

( ・3・)「まいたみたいだ。やれやれ、一度死んだぜ」

ξ ゚⊿゚)ξ「これからどうするの」

/ ,' 3「とりあえず隠れ家に行って残り二人の部下と落ち合おう。

     ぼるじょあ、車を盗……」

ξ#゚⊿゚)ξ「車ドロボーなんかダメよ! 盗まれた人が困るじゃない!」

/ ,' 3「……借りてこい。後で元の場所に戻しとけよ」

( ・3・)「任せてくれ」




51.
 少年はただポカンと彼らを見ていた。


(´・д・`)




















つづく……




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