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リレー小説 第八話

まずはルールを読むといい
目次はこちら

→第七話へ
→第九話へ


1.
 翌朝。

一行は宿を引き払い、町の小さな商店で消耗品を補給した。


ノハ*゚⊿゚)「おやつ! おやつ!」

( ФωФ)「300円までであるぞ、ヒート」

ノハ*゚⊿゚)「バナナ! バナナ!」

(;ФωФ)「おやつに入ります! 路銀は無限じゃないんだから!」

ノパ⊿゚)「ちぇ」









#8 適応者



2.
ヒートがお菓子を選んでいる間、カウガールがロマにこっそり話しかけた。


||‘ー‘||レ「ヒートちゃんてカワイイわねぇ。恋人なの?」

(;ФωФ)「まさか!?ただの幼馴染なのである」


慌てて否定するロマに肩を竦め、意味ありげにニヤニヤしてみせる。


||‘ー‘||レ「へぇ~。ふぅ~ん。ほほぉ~?」

(;ФωФ)「やめて欲しいのである……」

ノパ⊿゚)「よっしゃちょうど三百円! 行こう!」


商店を出ると馬着き場でトンキーが待っていた。


ノパ⊿゚)「お待た! お前にはうまい棒めんたいこ味をやろう」

(  ・ω・)ブヒ

( ФωФ)「それじゃあそろそろ出発である!」

3.
||‘‐‘||レ「待って。さっき人に聞いたんだけど、この先難所にぶつかるみたい」

( ФωФ)「え?」

||‘‐‘||レ「徒歩じゃかなりキビシイわよ」


地図上には赤茶けた不毛の大地が広がっている。

昔から行商人の間で難所として知られているニューソク大荒原だ。

人が住める場所はなく、水場と呼べるようなものも何もない。


||‘‐‘||レ「お金もあんまりないとなれば迂回も出来ないし……」

( ФωФ)「う、う~ん……」


ただでさえ仮死状態のビーグルというお荷物があるのに。


∑ノパ⊿゚)「おお!!」

( ФωФ)「ど、どうしたのであるか?」

ノパ⊿゚)つΙ「チョコバットの当たり出た! ホームラン!」
4.
(;ФωФ)「ああ……そう……」


しばらく額を突き合わせて考え込んでいたが、ロマが不意に手を叩いた。


( ФωФ)「そうだ。実は我が輩、大陸横断鉄道というものに乗ってみたかったのである!」

ノパ⊿゚)「あっ、機関車のことか!? 頭いい!」

(*ФωФ)「もっと言って良いぞ」

||‘‐‘||レ「あれって切符がすごく高いのよ、お金あるの?」

( ФωФ)「……」

ノパ⊿゚)「頭悪い!」

(#ФωФ)「やかましい!」


とりあえず宿場の駅まで行ってみた。

田舎の駅にありがちな寒々しい掘立小屋だが、無賃乗車を取り締まるためか警備員が

ウロウロしている。

5.
大して金を持っていない三人は居心地の悪い思いをしながら料金一覧表を見上げた。

東の都は終点で、一番安い三等席でもはるかに予算オーバーだ。

一同、うなだれる。


ノパ⊿゚)「ロマの案っていつもあれだろ、机上の空論だろ」

(#ФωФ)「お前は何故そんなつまらん言葉に限って知っているのだ?!」

||‘‐‘||レ「何とか方法を考えないと……トンキーとビーグルを連れてくには家畜用の

      貨物車両も借りないとダメだから、実際にはもっとかかるわよ」

(;ФωФ)「やれやれ、どうしたもんか……もっと安い席はないものか」

ノパ⊿゚)「あれなら乗れるじゃんか」

( ФωФ)「何と、どれであるか?!」


ヒートは貨物車両の料金一覧を指差した。

家畜用は一番安い。


6.
( ФωФ)「ヒート、あれは……」

ノパ⊿゚)「だーかーら! こうするんだよ!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


到着時間になり、駅に車両が滑り込んできた。

超電導式蒸気機関と呼ばれる汽車に似た乗り物で、燃料は水だけという最新科学の結晶である。

これも東の都の研究機関で開発されたものだ。

先頭の牽引車両を覗いて全部で13車両あり、食堂車や映画館といった設備がある。

しかし一同がいるのは……


(#ФωФ)「納得いかーん!!」

||‘‐‘||レ「いいじゃない、ともかく乗れたんだから」

ノパ⊿゚)「そうだそうだ!」

(  ・ω・)ブヒッ

7.
▼-ェ-▼ ZZzzz……

(・(エ)・) クマー

( ゚∋゚) コケコッコー


三人は金を出しあって借りた最後尾の貨物車両で身を寄せ合っていた。

床には藁が敷き詰められ、動物たちが好き勝手に行き来している。


(#ФωФ)「あ、憧れの鉄道には乗りたかったけどこんなんじゃないのである!!

       食堂車とか売店とか見て回りたかったし、映画見たりもしたかったし、

       そもそも大体、我が輩は噂の超電導式蒸気機関の構造を学べたらと……」

( ゚∋゚) コケコッコ

ノパ⊿゚)「ねえねえ、ロマの頭の上にニワトリ乗ってる」

||‘ー‘||レ「面白いから黙っときましょ。気付いてないみたいだし」

(#ФωФ)「ムキー!!」


8.
一同が同席した乳牛の乳を勝手に絞って飲んでいると、アナウンスが入った。


(,,゚Д゚)「えーお客様、右手をご覧下さいませぇー。

     かの有名な“大地のヘソ”で御座いますぅ」

( ФωФ)「おお! これは見なければ!」


不貞寝していたロマがガバッと起き上がって窓に張り付く。

荒涼とした赤茶けた大地に、ずんぐりとした一枚板の岩が見える。

途方もなく巨大だ。


( ФωФ)「世界七大奇観の一つ、“大地のヘソ”なのである。

       あれ全部がたった一個の岩から出来ているのである」

||‘‐‘||レ「へぇ~。すごいわねぇ」

∩(゚-゚ノハ(右手……?)

||‘‐‘;||レ「ヒートちゃん、そうじゃない……」

9.
( ФωФ)「一番高いのが中指であるぞ、ヒート」

凸(゚-゚ノハ「???」

||‘‐‘#||レ「ちょっと、下品よ!!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


一方、荒野の丘の上ではある男が鉄道の様子を伺っていた。

双眼鏡越しに窓辺のカウガールの姿を認め、口元を歪める。


<ヽ`∀´>「こりゃ驚いたニダ!!」


双眼鏡を外して舌舐めずりをする。


<ヽ`∀´>「随分探したニダ、まさかこんなところでお目にかかるとは!

      お前ら、目的変更ニダ。二隊に別れて片方はあの女をさらうニダ。

      もう片方は予定通り機関車をぶっ壊して超伝導式蒸気機関の核を持ってくるニダ!」

10.
▼・ェ・▼▼・ェ・▼▼・ェ・▼ オオオォォオ―――――ンン!!


男の背後に伏せていたビーグルたちが立ち上がり、遠吠えで答える。

彼らがいきり立って汽車に走り出す中、男は深呼吸して力を込める素振りを見せた。


<ヽ`∀´>「おおおおお……!!」


全身の肌の下から暗い色の毛皮が浮き上がってくる。

鼻面が伸びて強靭な顎となり、口内の歯がすべて牙と化した。

ビーグルよりも二回りほども大きい獣と化すと、男は地響きのような遠吠えを上げた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


一方、一等車のカフェ。

都心の高級店と比べても何ら見劣りしない、贅を凝らしたその車両では、着飾った貴人たちが

気ままにランチを楽しんでいた。

11.
( ‘∀‘)「ホホホ、超電導ナントカと言うものもなかなかの乗り心地で御座いますわねえ」

爪'ー`)y‐「まったくですわね奥様、ヌホホホホ」


他愛のない会話をしていると、窓の外に黒い影がぽつぽつと現れた。

鉄道と並走する形だ。


( ‘∀‘)「おや、あれは……?」

爪'ー`)y‐「野生のビーグルですわよ、奥様」

( ‘∀‘)「ホホホ、まあカワイイ。餌をあげましょう」


窓を開けてサンドイッチの欠片を投げようとした時、警備員が窓の外の異変に気付いた。


(,;゚Д゚)「む、あれは……? いかん、ビーグルだ!!」


給仕たちを押しのけて車両の後部にある通信機に飛び付く。



12.
(,,゚Д゚)「こちら一等食堂車、車掌室へ!!

     ビーグルの襲撃です、臨戦態勢を!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


先頭から二番目、機関車のすぐ後ろの車両は車掌室と呼ばれ、コントロールルームになっている。

戦艦の管制室に似たその部屋でクルーが通信を受け取った。


(,,゚Д゚)「車掌、ビーグルの襲撃のようです」


名物駅弁、超電導幕の内を掻き込みながら車掌がやってきた。


(‘_L’)「くそ、飯の途中だってのに。装甲を展開しろ、迎撃態勢!」

(,,゚Д゚)「了解」


警報が鳴り響き、各車両の窓に鉄のシャッターが下りる。

赤い回転灯が点き、アナウンスが入った。
13.
(,,゚Д゚)「えーお客様にお知らせ致します。

     ただいま第一級警戒態勢が発令されました。

     お席にお戻り下さるようお願いします。

     この警告を無視された場合、お客様の安全は保障できません。

     繰り返します……」


たちまち客席は蜂の巣を突いたような大騒ぎになった。

慌ただしく配置につく警備員、オロオロ歩き回る乗客、泣き喚く子供などで通路がごった返す。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


もちろん畜舎車両のいた三人もアナウンスを聞いていた。


(;ФωФ)「ひいい! とことん連中に縁があるのである!」

ノパ⊿゚)「すげえいっぱいいるぞ! 何する気だ!?」

||‘‐‘||レ「……!!」
14.
ビーグルの群れの中に一際大きい個体がいる。

それを睨むカウガールの眼が変わった。


||‘‐‘||レ(あいつは……!)

( ФωФ)「あいつら一体機関車を襲ってどうするつもりであるか?」

ノパ⊿゚)「腹が減ってるんだろ」

∑(;ФωФ)「我々を食う気であるか!?」


群れは二手に分かれて片方は先頭、もう片方はこちらの後尾へやってくる。

銃座についた警備員たちが機関銃の掃射をくれているが、ビーグルたちはそれを見越し

前後左右に不規則に蛇行して狙いを外す動きをしている。

軍隊さながらの統率された行動だ。


(;ФωФ)「ギャー!! こっちに来るのである、隠れないと!!」



15.
||‘‐‘||レ「片方は機関車の方へ向かってる。

      壊して停めるつもりなのかも……そうなったらどっちにしろ逃げられないわ」

ノパ⊿゚)「どうするんだ?!」

||‘‐‘||レ「こっちに来る方はわたしが引き付ける。

      ヒートちゃんとロマ君はもう一方を止めて」


カウガールは車両の扉のカンヌキを外し、引き戸を両手で力いっぱい引っ張った。

扉が開いて外の乾いた風が車内に吹き込んでくる。

腰に下げた拳銃を取ってシリンダーをずらし、コルク弾がフル装填されていることを

確認していると、ロマが哀れっぽく拒絶の声を上げた。


(;ФωФ)「止めてってそんなの警備員に任せるのである!!

      我々は金払って乗ってるんだから安全が保障されるべきであって……」


カウガールは溜め息をついた。

16.
||‘‐‘||レ「切符の裏見てないの?」

( ФωФ)「え……」


“万一畜舎車両が襲われた場合、牧畜類の安全は保障されません

 ―― 超電導式蒸気機関株式会社 ――”


(;ФωФ)「だ、だって我々は人間……!!」

||‘‐‘||レ「わたしが下から可能な限り援護するわ。無事で!

       行くよ、トンキー!」

(  ・ω・)ブヒッ!


トンキーにまたがったカウガールは車両から地上へと飛び降りた。

地面の流れに押されて一瞬後方へ下がったが、すぐにスピードを上げて姿を消す。


ノパ⊿゚)「そんじゃこっちも行くぞロマ」

(;ФωФ)「いやだあああああ!!」
17.
ヒートに引きずられて畜舎を出、車両の屋根に上がる。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(;‘∀‘)「いたたた、いたたたたた! わたくしの手がお抜けにならなくってよ!!」


貴婦人の一人が腕をシャッターに挟まれていた。

ビーグルに餌をやろうと腕を窓から出していた為だ。

警備員が数人で引っ張るがビクともしない。


爪;'ー`)y‐「一度シャッターを上げたら良いでしょう!」

(,,゚Д゚)「これはすべてが連動しているんです、一つ上げるには全部解除しないと……

     そうなったらそれこそ無防備な姿を連中に晒すハメに……!!」


そうこうしているうちにビーグルが半開きの窓に集まってきた。


▼・ェ・▼ ググググ……
18.
(,,゚Д゚)「!?」


そのうちの数匹のシルエットが不意に歪んだ。

ジャンプして窓に取り付いてきた時にはすでに犬の形状を失い、猿に近くになっている。

人狼じみた姿だ。


(,;゚Д゚)「バッ……バカな!? 何だこいつら、ビーグルじゃないのか?!」


数匹がシャッターの隙間に手を突っ込んだ。

人間と同じく五指に別れた指だが恐ろしく鋭利な爪がついている。

凶暴な力がシャッターの留め具にかかり、色んなものが折れたり砕けたりする音がした。


(,,゚Д゚)「行かん、こじ開けられるぞ!」


最後の金具がへし折れて、シャッターが上に持ち上がった。

人獣形体にトランスフォームしたビーグルたちが雪崩れ込んでくる。

19.
(;‘∀‘)「あ、抜け……えべしっ!?」


腕がすっぽ抜け、勢い余って後ろに引っくり返った貴婦人の姿が群れに飲まれた。


▼・ェ・▼ グルルルル……!!!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(,,゚Д゚)「第四車両のカフェに侵入されました!」

(‘_L’)「閉鎖しろ! クソッ、迎撃班は何やってんだ。

     次の駅まであとどのくらいだ?」

(,,゚Д゚)「あと五時間はかかります」

(;‘_L’)「とても持ち応えられん……連中の狙いは何だ?」


クルーがメインモニタに車内の防犯カメラの画像を表示させる。


(,,゚Д゚)「車内に入ってきた奴らは先頭を目指しているようです」
20.
(‘_L’)「管制室か?」

(,,゚Д゚)「いえ……三班に別れているようです。

     内部に侵入したのは外部に残ったのと機関車を目指して上がってきてます。

     残りは後部へ」

(‘_L’)「超電導機関を破壊して停車させるつもりか……?

      ケダモノにそんな知恵があるって言うのか?」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(;ФωФ)「高い~、速い~、落ちるぅ~!!」

ノパ⊿゚)「ロマ、立って歩けよ。ビーグルに先を越されるぞ!

    もー、口ばっかりなんだからなお前は」

(;ФωФ)「バ、バカを言ってはいけない!

       こうしているのは風の抵抗をもっとも受けにくい姿勢だからであって……」


21.
車両の屋根に上がった二人は機関車を目指していたのだが、その行程はへっぴり腰のロマが

四つん這いのため遅々として進まない。


▼・ェ・▼ グルルルルル……!!


地上を走っていたビーグルが数匹、屋根に飛び上がってきた。

二人の行く手に立ちはだかる。


ノパ⊿゚)「来たな! 容赦しないぞ」


ヒートが畜舎から持ってきたデッキブラシをくるくる回して構える。


▼・ェ・▼ ガァッ!!

ノパ⊿゚)「おんどりゃぁあ!! ツーランヒーット!!」

一二三ノパ⊿゚)つ¬)ェ ▼  ・ ・ ギャンッ!?


野球のバットの要領で構えると、喉元めがけて食らいついてきたビーグルをカッ飛ばした。
22.
勢いに任せて背を向ける形になると、そのまま柄頭を次のビーグルに突き立てる。


▼・ェ・▼ ゴヘェ

ノハ#゚⊿゚)「邪魔だ邪魔だー!!」


まさしく掃除のように、次々に屋根の上からビーグルを叩き落として行く。

使っているのはモップだがその様子はハタキの方がふさわしい。

しかし後から後から増援が這い上がってくる。


(;ФωФ)「すごい数なのである! 奴ら本気だぞ、ヒート」

ノハ;゚⊿゚)「ちくしょー、これじゃいつまで経っても機関車につかないぞ」


次の車両に数匹が待ち構えている。

うんざりして身構えたところで、背後から蹄の音が聞こえてきた。


||‘‐‘||レ「二人とも伏せて!!」

23.
ノパ⊿゚)「おお!?」

( ФωФ)「え?」


鉄道の屋根にトンキーごと飛び乗ったカウガールが、二丁拳銃を撃ちまくりながら

こっちに向かって走ってくる。

発射されたコルク弾が射的のマトのようにビーグルを屋根から撃ち落としてゆく。


ノパ⊿゚)「おっと」

(;ФωФ)「ひゃあああ」


言われた通り慌てて伏せると、弾丸が頭上をかすめていった。

ロマとヒートを目前にしてもカウガールはトンキーのスピードを緩めず、逆に足で

脇腹を蹴って加速した。


||‘‐‘||レ「せいっ!」


24.
二人は見た。

トンキーが翼が生えたかのように跳ね、頭上の太陽に覆い被さったのを。

ロマとヒートの頭上を飛び越え、次の車両へ飛び移る。

その先に居たビーグルを片っ端から撃ち落として一掃してから、カウガールとトンキーは

地上に飛び降りた。


||‘ー‘||レb


こちらに向かって親指を立てて見せると、速度を上げて地上のビ―グルの迎撃に戻った。


ノハ*゚⊿゚)「すっげええ! 姉ちゃんカッコイイ!!」

(;ФωФ)「ひぎい、落ちるぅ!! ヒート助けてええええ!!」

ノハ´⊿`)「それに比べてお前と来たら……」

(#ФωФ)「ほっといて欲しいのである!!」



25.
屋根の上からずり落ちそうになっていたロマを引っ張り上げ、再び車両から車両へ

飛び移って移動する。

ようやく機関車に辿り着いた。


( ФωФ)「お、こんなとこに出入り口が……」

ノパ⊿゚)「行けるか?」

( ФωФ)「我が輩がちょっと見てくるのであるよ。

       機械の事なら任せて欲しいのである」

ノパ⊿゚)「わかった。わたしはここにいるからな」


バルブをぐるぐる回して非常用らしい出入り口を開けると、ロマは機関車の中に

滑り下りた。

 中は台座に巨大な球体が掲げられた部屋で、あちこちパネルが引っ剥がされたり

コードが千切られたりして壊されていた。

何かが暴れ回った後のようだ。
26.
▼・ェ・▼ ギャンギャンギャン!!

(,;゚Д゚)「畜生、あっち行け!」


後ろの方、管制室とを繋ぐあたりで騒ぎが起きている。

連結部から侵入を試みるビーグルをレンチやハンマーで迎撃しているらしい。

 ロマは人類の英知が生み出した究極の機関に見とれていた。


( ФωФ)「これが超電導式蒸気機関……」

ミ,,-Д-彡「うう……」

∑( ФωФ)「ん!? おっさん、大丈夫であるか?」


床に一人、機関士の制服を着た男が倒れている。


ミ,,-Д-彡「お、俺はもうダメだ……ケツを、噛まれた……」

(;ФωФ)「それはひどい」

ミ,,-Д-彡「お前は?」
27.
( ФωФ)「通りすがりの者である。何か出来ることは?」

ミ,,-Д-彡「助かるぜ。他の機関士は犬コロどもを近づけないので精一杯だ。

      修理を手伝ってくれないか?

      このままじゃ機関が動かなくなっちまう……

      こんなとこで立ち往生したら、それこそ奴らの思うツボだ」

( ФωФ)「わかったのである。どうすればいいのであるか?」

ミ,,-Д-彡「俺のケツを噛んだ奴がリアクティブユニットをぶっ壊しやがったんだ。

      そいつは何とか追い出したんだが……」


機関士はポケットからマニュアルを取り出し、ロマに投げた。


ミ,,゚Д゚彡「幸い予備は無事だが、手動でユニットを繋ぎ直さなきゃなんねえ。

      俺が説明するからマニュアルを見ながら何とかやってみてくれ」

( ФωФ)「了解である!」


28.
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


カウガールは引き続き地上でビーグルの相手をしていた。

群れに囲まれないよう常に蛇行している為、トンキーにかなりの負担がかかっている。


||‘‐‘||レ「頑張ってトンキー! あなたが頼りなの」

(; ・ω・)ブヒー……ブヒー……

||‘‐‘;||レ(もうそろそろ限界みたい。持ちこたえられるかしら……)


拳銃に新しいコルクを装填していると、大きな影がこちらに向かって走ってきた。

熊ほどもある巨体で、他のビーグルに比べると圧倒的に大きい。


<ヽ`∀´>「ハハハ……!!」

||‘‐‘||レ「!!」

<ヽ`∀´>「あんたの相手は後ニダ! コアがウリを待ってるニダ」


29.
地を蹴って彼女の上を飛び越えて行く。


||‘‐‘||レ「待っ……」

▼・ェ・▼ グァァッ!!

||‘‐‘;||レ(しまった! 奴の影に隠れてたのか)


予想外の伏兵がカウガールに飛びかかる。

体当たりを食らって馬上(豚上?)で大きくバランスを崩すものの、危ういところで

鞍にしがみ付いて落馬を逃れる。

 伏兵のビーグルはトンキーの上に這い上がって来た。


(; ・ω・)ブヒーッ!!

||‘‐‘#||レ「離れてよ! このっ、このっ!」

▼・ェ・▼ ギャンッ!!


銃底で鼻面をぶん殴って叩き落とし、鞍に上る。
30.
||‘‐‘||レ(コア……? 超電導式機関のコアが目的か?!

      大変、ロマ君とヒートちゃんが……)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


ノパ⊿゚)「ロマー、大丈夫かー?」


非常口から逆さまになったヒートが覗き込む。

ロマは超電導蒸気機関のパネルを外し、その下の基盤をいじっていた。


( ФωФ)「ちょっと話しかけないで欲しいのである。

       おっさん、次は?」

ミ,,゚Д゚彡「今言ったやつをコンバータに繋げ。コードを間違えんなよ」


出る幕じゃなさそうだ。

屋根に戻ろうとした時、ズボンのベルトを誰かに掴まれた。

31.
そのままひょいと持ち上げられる。


ノハ;゚⊿゚)「おお?!」

<ヽ`∀´>「邪魔ニダ」


恐ろしくでかい人型の獣が、自分の体を片手でつまみ上げていた。

そのまま服についた糸クズみたいに投げ捨てられる。


<ヽ`∀´> ポイ

ノパ⊿゚)「わー!!」


しかしそこは野生児ヒート。

捨てられる瞬間に空中で素早く身を翻し、相手の手を掴んで留まった。

振り子の要領で運動エネルギーを溜め、相手の懐に飛び込んで胴体に蹴りを放つ。


<ヽ`∀´>「えぶっ!?」

32.
ノパ⊿゚)(すげえ硬い毛皮だな。効いてないぞ……)


蹴りの反動で間合いを開けつつ、ヒートは屋根に着地した。


ノパ⊿゚)「お前がビーグルどもの親玉だな! なんか見た感じそうだし!」

<;`∀´>「見た感じで決めるニダ! でもそうニダ!」

ノパ⊿゚)「わたしがやっつけてやるぞ!!」

<ヽ`∀´>「ホルホルホル! 無謀と勇気を勘違いする奴は早死にするニダ」

ノパ⊿゚)「“むぼー”って何だ?」

<ヽ`∀´>「お前みたいなやつのことニダ!」


こちらを引っ捕まえようと獣は両手を拡げて飛びかかってきた。

その脇をすり抜けて背後に回り込むと、ヒートはジャンプして相手の脳天にモップを

叩き込んだ。


ノハ#゚⊿゚)「んどりゃあああ!!」
33.
バキ。

モップの方が折れて先端が宙を舞った。

呆気に取られて折れたモップの棒を見ていたヒートに、獣がゆっくり振り向く。


ノパ⊿゚)「うわー……」

<ヽ`∀´>「ホルホルホル! 新たな肉体を得たウリは無敵ニダ」


お返しとばかりに、真上に掲げた腕をヒートに向かって振り下ろす。

我に返ったヒートは寸でのところでかわしたが、一瞬前までいた屋根に獣の腕が突き刺さった。

鉄板を貫き、屋根に穴が開く。


ノハ;゚⊿゚)(捕まったらヤバイな!! 骨を粉々にされてタコにされちゃうぞ)


力任せの相手の動きをすばしっこくかわしながら、ヒートは隙を窺ってはひたすら

攻撃を打ち込んだ。

しかしどこも分厚い毛皮に包まれていて少しも応えている様子がない。
34.
底無しの体力を誇る獣は攻撃の手を緩めず、ヒートは徐々に追い詰められてゆく。


<ヽ`∀´>「そうらどうした、もう後がないニダ!!」

ノハ;゚⊿゚)「ぜえ、ぜえ……くそお!!」


後ろはもう屋根が途切れている。

こちらの頭を握り潰そうと迫ってきた相手の両手を、ヒートは思わず自分の両手で

掴み返してしまった。

手四つの状態だ。


ノハ;゚⊿゚)(あっ、やばい!!)

<ヽ`∀´>「ハハハ、捕まえたニダ――!! このまま押し潰してやるニダ」


凄まじい圧力が足腰にかかる。

プレス機にかけられているみたいだ。

ヒートは死力を振り絞ったが、それでも徐々に体は床に向かって縮んで行く。
35.
この状態から逃れようにも、少しでも力を余所にずらせばその瞬間に相手に寄り切られる。

両手の骨を粉々に砕かれて車両から投げ捨てられてしまうだろう。


ノハ;>⊿<)「ぐ……ぐそおお……!!」


とうとう膝が屋根についた。

耳鳴りがして自分の心臓の鼓動や息遣いが恐ろしくリアルに感じられる。

死に瀕してアドレナリンの分泌が高まっているせいだ。

死……そうだ、今、それが目前にある。


ノハ ⊿ )(ロマ……)


その瞬間、ヒートの内側に炎が灯った。

それまでずっと燃やし続けていた闘争心とは違う、己の身すらも焦がすほどの

凄まじい熱を持つ炎が。

意識が白く焼けてゆく。
36.
ノパ⊿゚)「……!!」

<ヽ`∀´>「!?」


血液のように体中の隅々までその熱が届くと、相手の圧力が和らいだ。


ノハ ⊿ )「うわあああああ!!!」


体を伸ばし、相手の力を跳ね除けて立ち上がる。

そればかりかヒートは一歩踏み出し、相手の体を押し返してゆく。

形勢は完全に逆転し、今度は獣の方がヒートの力に抗う形になった。


<;`∀´>(バカな!? いきなりどこからこんな力が……)


ヒートの髪が逆立ち、その中から二つの耳が生えた。

食い縛った歯が乱杭歯と化す。

獣はヒートの瞳の中に炎を見た。

37.
理性から解放され、死すら忘れて戦闘の狂喜に身をゆだねる狂犬の眼だ。


<;`∀´>「お前……まさか適応者ニカ!?」
Λ Λ
ノパ⊿゚)「――――あああああ!!」


いきなり組手を切って相手から離れると、ヒートはその場で頭を抱えてしゃがみ込んだ。


<;`∀´>「?」


唐突な行動に呆気に取られる。

と、獣は不意に自分に何か大きなものが迫っているのに感づいた。

鉄道の進行方向にトンネルの入り口が……


<ヽ゚A゚>


ガツン!!!


38.
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


( ФωФ)「……よし、繋がったのである!!」

ミ,,゚Д゚彡「いいぞ、端末で再起動しろ」


言われた通りコントールパネルで操作し、リアクティブユニットにパイパスが

接続されたことを打ち込む。

機能不全を起こしかけて落ちていた機関車の速度が上がり、猛スピードで荒野を

走り抜ける。

流石のビーグルたちもこれにはついていけない。

群れを振り切り、連中が地平線の彼方に消えると、ようやく警戒態勢が解除された。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


ノパ⊿゚)「……ん?」


39.
自分が屋根の上でうずくまっていることにようやく気付いたヒートは顔を上げた。

ここ数分の記憶がまったくない。

ハッとして自分の頭に触れたが、あの耳もなくなっていた。


ノパ⊿゚)(えーと、えーと……どうなったんだっけ?

    あれ、何にも覚えてないぞ……?)


あの獣の姿も消えている。

ヒートは頭を掻いて首を振った。

一体何がどうなってるんだ?

機関室の非常口が開いて、ロマが顔を出した。


( ФωФ)「おおヒート! 無事であったか」

ノパ⊿゚)「え? ああ、うん。姉ちゃんは?」

||‘‐‘||レ「二人とも! 大丈夫だった?」

40.
後ろの方の車両の窓から彼女が体を乗り出し、手を振っている。


( ФωФ)「全員無事であったようだな! 何よりであるよ」

ノパ⊿゚)「うーん……うーん?」

( ФωФ)「どうした?」


もう一つ納得行かないが、考えても無駄なことは考えないのがヒートの生き方だ。

とにかく何か凄いことが起きてあの獣をぶっ倒したんだろう。


ノパ⊿゚)「まあいいや。腹減ったな! 飯食おう」

(;ФωФ)「呑気な奴……」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


ビーグル撃退に貢献したことを称えられ、三人は車掌に食事を奢ってもらうことになった。

一等食堂車の一番いい席で高級料理を出される。

41.
(‘_L’)「いやはやまったく、お恥ずかしい限りだよ。

     君らがいなかったらどうなっていたが……」

ノハ*゚⊿゚)「うまい! うまい! これ何の肉だ!?」

( ФωФ)「豚のフィレミニヨンであるな」

||‘‐‘||レ「わたしのあげるわ」

ノパ⊿゚)「え? こんなに美味いのに」

||‘‐‘||レ「豚肉は食べられないの。出身地の信義でね」

ノパ⊿゚)「ふーん。じゃありがたくもらうぞ」

(;‘_L’)「えーと、話を続けたいんだけど……」

( ФωФ)「こりゃ失礼。どうぞどうぞ」

(‘_L’)「とにかくお礼を言わせてもらいたい。ありがとう」

(*ФωФ)「いやあ……」

||‘ー‘||レ「べ……別に、自分たちの為でもあったし……」

ノパ⊿゚)「ところでおっさん、あいつら結局目的は何だったんだ?」
42.
(‘_L’)「うーん……」


車掌はコーヒーを口につけながら唸った。

理解できない、という風に。


(‘_L’)「機関士の話だと超電導式蒸気機関のコアを取り出そうとしていたらしいが」

( ФωФ)「あ、そういえばそんな痕跡があったのである」

ノパ⊿゚)「くるくる回る……」

||‘ー‘;||レ「それはコマでしょ。でも何でそんなもの欲しがっていたのかしら」

(‘_L’)「んー、件のコアの由来はご存じかな?」

( ФωФ)「ラウンジ鉱山の奥で見つかった旧世紀の遺物という話であるな。

       わずかに電圧をかけるだけで無限に熱を生むという……」

(‘_L’)「その通り。世界に三つしかないうちの一つがこの鉄道に使われているのだよ。

     まだ解明されていない部分も多いし、悪用されたらそれは大変なことになるのは

     確かだが……しかし何故ビーグルが……」
43.
||‘‐‘||レ「誰かが飼い馴らしているんだわ。というか、操ってる」


カウガールの呟きは推測ではなく、確信じみた響きを持っていた。


||‘‐‘||レ「そしてそれはビーグルの凶暴化とも関わりがあると思う」

( ФωФ)「……」

ノパ⊿゚)「ロマのひれみによんもくれ」

(;ФωФ)「あっ!? 最後に食べようと思ってとっといたのにー!?」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


どこかにある巨大研究所。

息が詰まるような無機質で陰鬱な空気に満ちたその中央に、人影が一つだけあった。

煙を上げたり泡立ったりする液体の入った、得体の知れない器具類に囲まれて、一心不乱に

調合を繰り返している。


44.
(;;;;;;;;;)「……」


出来上がったばかりの液体を注射器に吸い上げ、モルモットに射つ。

それから強化ガラスのケースに入れて蓋をした。

モルモットはしばらくガラスケースの匂いを嗅いでいたが、突然狂ったように暴れ出した。

体当たりしたガラスの壁に僅かにヒビが走る。


<ヽ`∀´>「博士、ただいま戻りましたニダ!」


頭のどでかいタンコブを作ったニダーがやってきた。

うやうやしく頭を下げたまま人影の前までやってくると、跪く。


(;;;;;;;;;)「コアは?」

<;`A´>「そ、それが……予想外の邪魔が入りまして……」

(;;;;;;;;;)「ふーん。お前にP.I.G.ウィルスをくれてやったのは間違いだったかな」

<ヽ`∀´>「あっ! で、でもお聞き下さいニダ! その代わりにお耳寄りの情報が」
45.
(;;;;;;;;;)「言ってみろ」


博士と呼ばれた人物は実験に没頭したままで、終始淡々とした態度だ。

ニダーのことにまるで関心を示さない。

彼は博士のそんな態度に不安を募らせながらも、熱心にヒートのことを話した。


<ヽ`∀´>「……とまあ、ざっと話すと以上のような……」


話が終わると博士は手を休めた。

初めて彼に興味を引かれたように。


(;;;;;;;;;)「つまり改良前の野生のウィルスにも関わらず、適応していたと?」

<ヽ`∀´>「その通りですニダ! 捕らえれば必ずや研究のお役に立つかと」

(;;;;;;;;;)「ふぅむ……感染者は100%死亡すると思ってたがな」


しばしの間考え込む素振りを見せる。

46.
(;;;;;;;;;)「よかろう。今回の失敗は特別に不問にする」

<ヽ`∀´>「ははーっ! ありがたき幸せニダ」

(;;;;;;;;;)「下がっていい」


ニダーは再び頭を下げ、部屋の出口に向かった。

そこで博士に呼び止められる。


(;;;;;;;;;)「ところで」

<ヽ`∀´>「?」

(;;;;;;;;;)「カウガール姫はどうなった? まだ見つからないのか?」

<;`∀´>「えあっ!? えっと、それは目下捜索中ですニダ」

(;;;;;;;;;)「そうか、まあいい。行け」

<;`∀´>(姫を見つけたことは黙っといた方がいいニダ。

      彼女まで捕まえそこなったとあればさすがに罰は免れないニダ……)


47.
彼が姿を消すと、博士は虚空に向かって声を上げた。


(;;;;;;;;;)「ペニサス、いるか」

('、`*川「ここに」


暗がりから滲み出すようにして女が現れ、片手を胸に当てて頭を垂れる。


(;;;;;;;;;)「ニダーの奴は頼りにならん。お前に適応者の捕獲を任せたい」

('、`*川「お任せを」


短く答えて再び闇に消える。

 博士はガラスケースを見た。

モルモットは血の泡を吹いて引っくり返り、小刻みに痙攣している。


(;;;;;;;;;)(まだまだ完成にはほど遠いな。

    適応者か……さて、どの程度役に立つものやら)






つづく……
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